目次
標的型攻撃メールとは
標的型攻撃メールは、特定の個人や組織を狙って送信される巧妙なサイバー攻撃メールです。
標的型攻撃メールの特徴
標的型攻撃メールは、一般的な迷惑メールとは異なり、送信先の個人や組織の情報を事前に調査し、その情報に基づいて内容が作成されます。多くの場合、信頼できる送信元を偽装し、業務に関係のある話題や、実際の担当者名を使って利用者の警戒心を緩めます。本文には不審なリンクや添付ファイル(マルウェア)が含まれていることが多く、開封やクリックすることで情報漏洩やシステム感染、ランサムウェア被害につながる危険性があります。また、不自然な日本語や一般的に使用しない記号、心当たりのない件名など、細かな違和感も特徴の一つです。標的型攻撃メールは従来の迷惑メールよりも高度かつ巧妙な手口が使われるため、定期的な訓練や対策の強化が求められます。
ランサムウェアとの違い
標的型攻撃メールは主に情報窃取や不正アクセスを目的としていますが、ランサムウェアは感染後にデータを暗号化し、元に戻すための身代金を要求することが特徴です。標的型攻撃メールは、不審なメールや不自然な日本語、疑わしい件名などを利用してターゲットを騙し、マルウェアや悪意あるリンクへ誘導することが多いですが、ランサムウェアはその結果として組織の業務を停止させるリスクが高まります。標的型攻撃メールが入り口として使われ、二次被害としてランサムウェアが広がる場合もあります。そのため、両者の違いを理解した上で、効果的な対策やセキュリティソフトの導入、従業員教育の徹底が不可欠です。
標的型攻撃メールの見分け方
標的型攻撃メールは、不自然な日本語や心当たりのない件名で見分けることが可能です。
不自然な日本語が使われている
標的型攻撃メールの大きな特徴の一つに、不自然な日本語表現があります。たとえば、語順が不自然だったり、変な敬語や直訳調の表現が含まれている場合は注意が必要です。こうしたメールは、海外の攻撃者が翻訳ソフトを使って作成しているケースや、機械的な自動生成による違和感のある文章が多く見られます。日常的な業務メールでは使われない表現が文中に含まれていた場合には、マルウェアリンクや情報漏洩に繋がる危険性を疑い、安易に添付ファイルを開かない、リンクをクリックしないなどの対策が重要です。
一般的に使用しない文字や記号が含まれている
標的型攻撃メールでは、一般的なビジネスメールでは見かけない特殊な文字や記号が使われていることがあります。たとえば、@や$などの外国語記号、半角カタカナ、妙なスペースや改行が不自然に混在しているケースが該当します。これは、攻撃者が自動生成したり異なる言語環境で作成したために発生するもので、不審なメールと判別する重要なポイントとなります。特にリンク先や添付ファイル名に怪しい文字列が含まれている場合は、マルウェア感染や情報漏洩のリスクが高まります。ビジネス用途で一般的に使われない書式や記号を見つけた際は、セキュリティソフトで念のためスキャンするなど、早めの対応を心がけましょう。
心当たりのない件名
心当たりのない件名が届いた場合は、標的型攻撃メールの可能性を疑いましょう。たとえば、「至急対応」「重要なお知らせ」「請求書添付」など、受信者が不安や興味を持つような言葉が使われていることが多いです。こうした件名は、開封を促す心理的な手口として用いられており、一度でも開くとマルウェア感染や情報漏洩に繋がる危険性があります。業務で普段やり取りする相手や内容でない場合は、管理者やセキュリティ担当者に相談する、添付ファイルや本文中のリンクを絶対にクリックしないなど、慎重な対応が求められます。
フリーアドレスからの受信
標的型攻撃メールは、GmailやYahoo!メールなどのフリーアドレスから送信されることが少なくありません。これらのアドレスは匿名性が高く、送信元の特定が難しいため、攻撃者が悪用しやすい特徴があります。業務に関する内容や、社内連絡を偽装しながらフリーアドレスを使用している場合は、特に注意が必要です。正規のビジネスメールは一般的に企業ドメインのアドレスから送信されますので、異なるアドレスの場合は不審なメールの可能性を考慮してください。フリーアドレスから重要な情報が届いた際は、送り主に直接確認する、セキュリティソフトで安全性をチェックするなど、慎重な対応がセキュリティ対策につながります。
標的型攻撃メールによる被害事例
標的型攻撃メールは国内外で情報漏洩など、さまざまな被害事例が報告されています。
国内の旅行代理店の情報漏洩
国内の大手旅行代理店では、標的型攻撃メールによる情報漏洩事件が発生しています。攻撃者は社内担当者を装った巧妙なメールを送信し、従業員が添付ファイルを開いたことでマルウェアに感染しました。この結果、顧客リストや予約情報などの重要なデータが外部へ流出し、企業の信用に大きな損害を与えました。被害後は、全社的なセキュリティ教育や対策強化が急務となりました。こうした事例から、不審なメールへの警戒、不自然な日本語のチェック、セキュリティソフトの活用が非常に重要であることが分かります。
公的機関の情報漏洩
公的機関でも標的型攻撃メールによる情報漏洩事件は相次いでいます。たとえば、政府関連機関では、内部職員を装ったメールが送付され、不審なリンクをクリックしたことでマルウェアに感染した事例が報告されています。攻撃者は実際の業務メールを真似ているため、気づきにくく、個人情報や機密データの流出へと発展するケースが増加しています。このような事態を受けて、組織内での従業員教育や訓練、セキュリティソフトの導入など、対策の徹底が急務となっています。公的機関の被害事例は、標的型攻撃メールの巧妙さと、見分け方・対策の重要性を改めて示しています。
標的型攻撃メールの対策方法
標的型攻撃メールへの対策には、セキュリティソフトの導入や従業員教育の徹底が不可欠です。
セキュリティソフトの導入
標的型攻撃メールに対する第一歩は、信頼性の高いセキュリティソフトを導入することです。多くのセキュリティソフトは、迷惑メールフィルターや添付ファイルのスキャン機能を備えており、疑わしいファイルやリンクを事前に検出できます。導入時は、定期的なアップデートや運用管理も重要です。最新のマルウェアやランサムウェア対策が反映されているかを確認し、継続的な情報収集を心がけましょう。セキュリティソフトの積極的な活用は、企業や公的機関が標的型攻撃メールによる情報漏洩を予防し、従業員の安全を守るために不可欠な対策です。
従業員の教育と訓練
標的型攻撃メール対策の中でも効果的なのが、従業員への教育と定期的な訓練です。単なる知識の習得だけでなく、実際の不審なメールやマルウェアの事例を使った模擬訓練を実施することで、現場での対応力が向上します。たとえば、不自然な日本語表現や心当たりのない件名、フリーアドレスから届くメールなどを自分で見分けるスキルを身につけることが重要です。定期的な訓練により、情報漏洩やランサムウェア感染リスクを未然に防ぐことができます。組織全体でセキュリティ意識を高めることが、安全なIT環境の構築につながります。
標的型攻撃メールへの対応と重要性
本稿では、標的型攻撃メールの特徴や見分け方、情報漏洩・ランサムウェア被害事例、それぞれの効果的な対策方法について解説しました。巧妙化する攻撃に対し、セキュリティソフトの導入や従業員訓練などの対策が非常に重要です。安全なメール運用のためには、日々の警戒心と組織全体のセキュリティ意識向上が不可欠です。不審なメールに気づく力を身につけて、安心して業務に取り組みましょう。
丸紅I-DIGIOグループでは、従来のセキュリティ製品では検知が困難な標的型メール攻撃への対策として、クラウドストレージ型メールマネジメントシステム「mxHERO」を提供しています。
標的型メール攻撃は、従来のセキュリティ対策では防ぎにくい高度な手法が使われます。mxHEROがこれに対して有効な最大の理由は、「メールとファイルを完全に切り離す」仕組みにあります。
添付ファイルの「無害化」と「プレビュー」機能
標的型攻撃の多くは、メールに添付されたWordやExcelのマクロ、あるいは実行ファイルを開かせることでウイルスに感染させます。
mxHEROでは、受信したメールの添付ファイルを自動的にクラウドストレージ(Box, OneDriveなど)に隔離します。受信者はファイルをダウンロードする前に、クラウド上の安全な環境で「プレビュー(中身を確認)」できます。直接ファイルを取り込まないため、不正なプログラムが実行されるリスクを劇的に下げることができます。
暗号化ファイル(PPAP)による検知回避を阻止
攻撃者はウイルス検知を逃れるため、パスワード付きZIPファイル(いわゆるPPAP)にウイルスを隠して送ってきます。従来のウイルススキャンはパスワードがかかった中身を検査できません。
mxHEROでは、受信したパスワード付きファイルをクラウド上で展開し、スキャン可能な状態にしてから安全性を確認します。これにより、「検知できないから通してしまう」というセキュリティの穴を塞ぐことができます。
mxHEROを活用いただくことで、個人のセキュリティリテラシーに依存しない「システムの力」による防御を実現できます。ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。


