SIEMの選び方はAI時代にどう変わる? ~SOC運用・長期保持・コストで考える次世代SIEM~

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SOC運用の現場では、日々増え続けるアラートへの対応に追われています。しかも、監視対象はエンドポイントだけでなく、ID、SaaS、クラウド、ネットワーク機器へと広がり、必要なログは複数のツールや基盤に分散しがちです。

「調査のたびに画面を行き来し、条件を変えて検索し、関連ログを突き合わせる」こうした運用は、分析者の力量以前に、基盤そのものの制約で非効率になりやすいのが実情です。

この状況を受けて、近年、SOCでもAI活用への期待が高まっています。ただし、重視すべきはAI機能の派手さではありません。AIを活かす前提として、まずは必要なデータを無理なく集約し、長く保持し、必要なときにすぐ検索できる土台が重要です。本稿では、なぜ今のSOCに新しいSIEM基盤が求められているのか、そしてAI時代におけるSIEM選定で何を重視すべきかを、実運用の観点から整理します。

従来型SIEMがSOC運用の足かせになる理由

SOC運用における問題は、単純にアラート件数の多さだけではありません。より深刻なのは、必要なデータが分散し、保持コストや検索性能の制約によって、調査の初動が遅れやすいことです。

従来型SIEMでは、データ量が増えるほど保管コストや運用負荷が重くなり、長期保持をあきらめざるを得ないケースも少なくありません。その結果、インシデント発生後に「見たいログが残っていない」「検索に時間がかかる」「別製品のログと突き合わせづらい」といった事態が起こります。調査のたびに複数の画面を行き来し、条件を変えて検索し、関連するログを手作業でつなぎ合わせる運用は、現場の負荷を大きくします。

さらに、SaaSやクラウドの利用が進んだ現在では、監視対象の多様化に対して従来の運用モデルが追いつきにくくなっています。SOCの課題は、もはや分析者個人の力量だけで解決できるものではなく、データをどう集め、どう使える形で持つかという基盤設計の問題に移っています。

AI時代のSIEMは「AI機能」よりデータ基盤が重要

AI-SIEMという言葉からは、自然言語検索や自動調査といった機能に目が向きがちです。しかし実際には、AIの価値はその土台となるデータ基盤の出来に大きく左右されます。
SentinelOneのAI-SIEMは、Telemetry Data Platform(Scalyr)の設計思想を背景に、インデックスレス、カラム型データストア、ストレージとコンピュートの分離、並列クエリ処理といった特徴を持っています。こうした構成は、比較的無理のないコストで大量データの長期保持や高速検索を実現しやすい点に強みがあります。

加えて、OCSF(Open Cybersecurity Schema Framework)を前提とした統合の考え方も重要です。ログごとに形式や扱い方が異なるままでは、調査にも自動化にも限界があります。データを横断的に扱える形へ整理しやすいことは、検索効率を高めるだけでなく、将来的なAI活用の下地にもなります。

つまり、AI時代のSIEM選定でまず見るべきなのは、AI機能の目新しさではなく、大量のセキュリティデータを現実的なコストで扱える基盤かどうかです。

SentinelOneのAI-SIEMが第一候補になりやすい理由

SentinelOneのAI-SIEMの強みとしてまず挙げやすいのは、データ取り込み、検索、基本検知といったSIEMの土台がしっかり押さえられている点です。実環境での検証でも、Marketplaceで提供される主要サービスについてはログ取り込みが行え、検索性能も実用上十分な水準が確認できました。Platform Ruleについても、標準で用意されたクエリベースの検知ルールが想定通りに動作することを確認しています。

つまり、主要なログを集約し、見て、検索し、ルールベースで検知するという、SOC基盤としてまず必要な機能を現実的に整えやすいということです。既存のログ収集方法に応じて、Syslogなどを活用しながら段階的に対象を広げていける点も、導入を検討しやすい理由の一つです。

特に既存のSentinelOne利用ユーザーにとっては、EDRの延長線上で導入を進めやすい点が大きな利点です。ゼロから新しい運用基盤を立ち上げるよりも、既存環境にデータレイク型SIEMを重ねる方が、導入・運用の両面で現実的です。「AI機能を過度に前面へ出さなくても、まずはSOC基盤を拡張する第一歩として位置づけやすい」そこがSentinelOneのAI-SIEMの強みです。

AI時代のSIEMに必要なのは、AI機能の全面展開ではない

AI-SIEMを導入するからといって、最初からAI機能の全面展開を目指す必要はありません。現実的には、まずログ統合と可視化を進め、次に検索やダッシュボード、ルールベース検知を整え、その上でAI機能による調査支援や要約支援を取り入れていく段階的な進め方が適しています。

SentinelOneでもPurple AIやHyperautomationといった機能が用意されていますが、現時点ではそれ自体を主目的に据えるより、将来的な活用余地として位置づける方が自然です。SOCの現場で本当に重要なのは、AIがすべてを代行することではなく、調査の立ち上がりや定型作業の負荷を少しずつ減らしていくことにあります。AIは魔法の解決策ではありません。しかし、データ基盤が整っていれば、まずは自然言語検索や結果要約、定型処理の補助といった形で活用を始めやすくなります。その積み重ねによって、AI-SIEMの価値も現場で生かしやすくなります。

おわりに

これからのSIEMには、調査支援や要約を支えるAI機能をSIEMの中に備えることが確かに求められます。とはいえ、先に必要なのはAI機能の比較ではなく、SOCが扱う膨大なデータを無理なく集約し、長く保持し、素早く検索できる基盤を持つことです。

SentinelOneのAI-SIEMは、そうした基盤づくりを現実的なコストで進めやすい製品です。AI機能に過度な期待を寄せて導入するのではなく、まずはSOCの土台を見直す第一歩として捉える。そのうえで、将来的にAIを活かしていく――その進め方こそが、現場にとって無理のない最適な選択ではないでしょうか。

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