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「データで業務をつなぐ基盤づくり」 ――Box導入の進め方とパートナー選び

クラウドサービスの活用が広がり、データの一元化や働き方の見直しが進んでいる。そうした流れの中で、コンテンツ基盤としてBoxを活用する企業も増えている。しかし、実際の現場では、権限設計やデータ移行、外部共有のルールといった、初期設計の前提でつまずくケースが少なくない。こうした背景を踏まえ、クラウド活用の考え方や、Box導入の検討ポイント、パートナー選定の視点、活用の広げ方について、丸紅I-DIGIOグループ デジタルソリューションセグメント プロジェクトマネージャー 武者 祥昭に聞いた。

本稿では、主にBox導入の責任者や運用設計を担う方を想定し、「最初に何を決めるべきか」「パートナー選定で何を比較すべきか」を整理するための視点をまとめている。

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クラウドサービス活用の考え方と、Box導入のポイントとは

――クラウド活用を進めるうえで、まず押さえておきたい考え方を教えてください。

武者 クラウドの活用が広がり、データの一元化や働き方の変化をきっかけに、業務プロセス自体を見直す動きも増えていると感じます。一方で、オンプレミスのように自社の仕様にあわせて細かく作り込めるとは限りません。既存の運用をそのまま持ち込むと、期待した効果につながりにくいことがあります。

グローバルのベストプラクティスを取り入れた機能をすぐに利用でき、運用の負担も抑えられる点は、クラウドサービスの大きな魅力であると思います。そのため、うまく使いこなせている企業では、サービスの設計思想や機能を前提に、業務やルールも合わせてアップデートしながら導入を進めている傾向があります。

――Boxをコンテンツ基盤として使う企業が増えています。導入時に整理しておきたいポイントは何でしょうか。

武者 Boxは、単なるストレージではなく、社内外のコンテンツを集約し「コンテンツ基盤」として使う前提で設計されたサービスです。導入時は、3つの視点に分けると整理しやすくなります。

1つ目は、業務や組織の視点です。社内外の共有ルールや権限設計をどう置くか。現場の業務に自然に馴染むかが中心になります。2つ目は、セキュリティ・IT基盤とのつながりです。認証・ネットワークとの関係、データ保護、アクセス管理など、安心して使い続けられる前提を整えます。3つ目は、コンテンツをどのようにBoxに集約し、Box AIの活用や他システムとの連携を設計するか。この方針を早めに決めておくと、その後もスムーズに導入を進めやすくなります。

Box導入時には、これら3つの視点を意識しながら、プロジェクトオーナーや日々の運用を担う体制、移行したいデータの範囲などについて事前にイメージを整理しておくと、自社に合ったパートナーも選びやすくなります。

Box導入の成果を決める進め方とパートナー選びのポイント

――それでは実際にBox導入を任せるパートナーを選ぶときには、どこを見ておくべきでしょうか。

武者 実際にBoxをすでに導入されている企業からいただくご相談では、運用面での課題が少なくありません。特に多いのは、アクセス権限・外部共有・データ移行に関するものです。そこで、パートナー選定は、次の3点で見比べると整理しやすいです。

1つ目は、Boxの導入経験です。具体的には、

  • 社外共有をどこまで許可するか
  • 部署ごとのフォルダ構成をどう考えるか
  • アクセス権限をどの粒度で整理するか
  • モバイルや外部アクセスをどのような前提にするか

これらは、使い勝手・定着・セキュリティのいずれにも関係しています。こうしたポイントを、国内の運用やガバナンス要件を踏まえながら一緒に設計できるパートナーであれば、使い勝手と統制のバランスも取りやすくなります。また、他社の導入事例や実際の運用経験を踏まえ、同じ目線で相談しながら進められることは、意思決定を早め、検討をスムーズに進めるうえでも重要です。

2つ目は、運用面を支えるエコソリューションがあるかです。Boxには優れた標準機能がありますが、国内で求められるセキュリティや運用ルールに合わせて使いこなすためには、共有リンクや外部コラボレーター、他のユーザーを招待できるアクセス権限の点検・見直しなど、運用に入ってから詰まりやすい点が出てくることがあります。Boxには標準機能だけでなく、たとえば共有リンクの棚卸しや外部コラボレーター管理を支援する仕組み(エコソリューション)があります。こうした機能も要件として整理すると、比較がしやすくなります。

3つ目は、「導入後のサポートとカスタマー・サクセスの体制」です。Boxは使い方が広がるほど価値も広がるサービスです。導入支援だけでなく、運用開始後の問い合わせやつまずきにスムーズに対応できるサポートと、活用を広げていくための支援があるかも、見ておきたい点です。導入経験、エコソリューション、導入後の支援という3点について、自社の要件と合っているかを判断するために、たとえば次のような質問で比較すると整理しやすくなります。

  • 自社に近い規模・業界での実績があるか
  • 権限・外部共有の管理や棚卸しをサポートする仕組みがあるか
  • 運用開始後の問い合わせ窓口と体制は明確か

――Boxを業務の基盤として使い切るために、パートナー選びで意識すべき点はありますか。

武者 Boxを「データで業務をつなぐ基盤」として見ると、整理しやすいです。
「なぜその設定が必要なのか」「その選択が将来のビジネスにどう影響するか」といった検討の背景を重視できるパートナーであることは、とても大切だと感じます。Insight Hubでご紹介している建設業界の導入事例では、Boxを全社のコンテンツ基盤として位置づけてプロジェクトを進めています。建設現場での大容量データの扱いなど、業界特有の課題を踏まえてポイントを整理してくれるパートナーであれば、導入時の迷いを減らせます。

また、たとえばBox AIも活用して社内のナレッジ共有を高度化したい場合、コンテンツが適切に整理・集約されていることを前提に、フォルダ構成はどうあるべきかといった点も重要になります。こうした視点から最適な設計を提案できるパートナーであれば、データの一元化や業務プロセスのデジタル化、サプライチェーンをまたいだビジネスの強化といった、次の取り組みにも移りやすくなります。全体設計やフォルダ構成のベストプラクティス、利用者向けのガイドやテンプレートが十分に提供されそうかどうかも、パートナー選びで意識すると良いと思います。

Box導入を成功に導く丸紅I-DIGIOの支援体制

――Box導入を成功させるために、パートナーに求めるべき専門性やスキルにはどのようなものがあるのでしょうか

ご提案時や導入の初期段階には、Boxの利用範囲と、お客様が目指す運用像について、特に議論を行うようにしています。たとえば、お客様の認証基盤の現状の課題感も踏まえながら、自動プロビジョニングなどの最適な構成を検討していきます。このように、クラウド導入では、製品知識に加えて、複数の領域を横断しながらプロジェクトを進めるといった経験が求められると感じています。具体的には、次のような観点が出てきます。

  • 導入全体を整理するプロジェクトマネジメント
  • セキュリティやガバナンスを前提とした設計
  • Boxに加えて、既存の周辺システムの構成・運用を踏まえた検討

そのため、パートナーを選ぶ際には、PMのこうしたスキルや経験について、確認するのが良いと思います。
たとえば、PMのプロジェクト実績や、データ移行実績、Box Certified AI Professional認定などのBoxの専門認定や、CISSP、PMPといった国際標準の資格。これらの資格や実績は、グローバルなクラウドサービスを国内企業に導入する際に必要となる専門性やスキルを備えていることを確認するための判断材料になると思います。

――最後に、Box導入支援における丸紅I-DIGIOの強みと、お客様側のメリットをお教えください。

武者 丸紅I-DIGIOは、Boxを導入で終わらせず、コンテンツ基盤として定着するところまで支援しています。Box活用に加え、プロジェクトマネジメントやセキュリティも含めて支援できる体制で、導入の初期段階から伴走できる点が強みです。こうした体制は、限られたリソースの中であっても、スムーズな移行を実現し、導入期間の短縮や運用負荷の軽減につながります。また、「権限設計の整理」「外部共有の運用ルール」「データ移行の進め方」などでお悩みがあれば、課題の整理から一緒に進められます。

――Boxは、導入して終わるツールではなく、使われ方が広がるほど価値が大きくなるコンテンツ基盤である。そのため、どのような視点で設計を進め、誰と一緒にプロジェクトを進めるかが、その後の活用度を左右する。実際の導入では、業務・セキュリティ・データ活用といった複数の観点を横断しながら判断していく場面が多い。こうした検討を無理なく前に進められるかどうかは、支援するパートナーの経験や専門性が、成果を分ける要因となる。Box導入では、経験と専門性を踏まえてパートナーを選び、早い段階で運用まで見据えたポイントを整理しておくことが、導入をスムーズに進めるための重要なポイントとなる。

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武者 祥昭
デジタルソリューションセグメント
※所属・職名等は記事公開当時のものです。