ペリカウンター内ファンコイルユニットとは?その役割と重要性
ペリカウンター内ファンコイルユニットとは、建物外周部(ペリメーターゾーン)の窓際や外壁沿いに設けられたペリカウンターの内部に収納された空調端末機器のことを指します。冷温水コイルと送風ファンで構成され、中央熱源(ボイラー・チラーなど)から供給される冷水・温水を利用して、窓際周辺の空気を冷却・加熱しながら循環させる役割を担います。
外周部は日射や外気温の影響を強く受けるため、室内中央部と比べて温度変動が大きく、快適性の確保が難しいゾーンです。ペリカウンター内ファンコイルユニットは、この外周部に集中的に空調を供給することで、
- 窓際の冷気・熱気を打ち消し、温度ムラを低減する
- 吹出口位置や風量制御により、快適な気流をつくる
- 外気の影響を受けやすいゾーンを安定させ、フロア全体の空調負荷を軽減する
といった役割を果たします。
また、ユニット本体だけでなく、ペリカウンター内部には冷温水配管・ドレン配管・電源・制御配線などが集中しており、空調運転の安定性や省エネルギー性に直結する重要な設備ゾーンでもあります。したがって、ペリカウンター内ファンコイルユニットの健全性を保つことは、テナントの快適性維持に加え、エネルギーコストの抑制や漏水・故障リスクの低減といった面でも非常に重要です。
なぜペリカウンター内ファンコイルユニットの老朽化に注意すべきなのか
ペリカウンター内ファンコイルユニットは、単なる「窓際の空調機」ではなく、冷温水配管・ドレン配管・電源・制御配線などが集中する、外周部設備の要となる機器です。そのため、老朽化や不具合を見過ごすと、単体の故障にとどまらず、建物全体の運用やテナント対応にまで影響が波及します。
ビル管理者が特に注意すべき理由は、次のような点にあります。
1.漏水が「見えないところ」で進行しやすい
ペリカウンター内部で発生した冷温水・ドレン漏れは、前面パネルや仕上げ材に隠れて進行し、発見時には床下地・壁内・下階天井まで濡らしているケースが少なくありません。早期に気づけない分、被害規模が大きくなりがちです。
2.一箇所の不良が複数トラブルを同時に引き起こす
ファンコイルユニット本体の腐食や配管のピンホール、ドレン詰まりなどが起点となり、
仕上げ材の膨れ・変色・カビ、下階テナントへの漏水クレーム、空調能力低下による「暑い・寒い」苦情といった設備・内装・テナント対応の問題が一度に発生する可能性があります。
3.テナント満足度と収益性に直結する
窓際の快適性が確保できないと、執務エリアのレイアウト制約や、長期的な不満蓄積につながります。
漏水事故ともなれば、休業補償や原状回復協議が必要になるケースもあり、ビル側のコストや信用低下を招きます。
4.修繕が「高額かつ大掛かり」になりやすい
ペリカウンター内での漏水・腐食が進行すると、ユニット本体交換、配管更新、カウンター・床・壁・下階天井の一体的な補修といった大規模工事が必要になり、工期・費用ともに負担が大きくなります。計画的更新であれば分散投資が可能ですが、事故対応になると一気にコストが跳ね上がります。
5.省エネ・BCPの観点からも重要
コイルの汚れや腐食、送風不良などの見えにくい劣化は、空調効率を下げ、エネルギー消費の増大につながります。また、外周部空調が機能不全に陥ると、熱波・寒波時の執務環境維持が難しくなり、BCP(事業継続計画)の面でもリスクとなります。
ペリカウンター内ファンコイルユニットの老朽化・漏水リスクを抑える対策
ペリカウンター内ファンコイルユニットの老朽化は、漏水事故や空調性能低下、大規模修繕コストの増大につながるため、「壊れてから対応」ではなく、日頃からの予防的な取り組みが重要です。今すぐ始められる主な対策は、次のようなものです。
1.設置場所の「見える化」と点検ルートへの組み込み
図面や現地確認により、ペリカウンター内ファンコイルユニットの設置位置(外周部事務室、共用部、会議室など)を一覧化し、年次・月次の点検ルートに組み込みます。どこに、いくつ、どの年代のユニットがあるかを把握しておくことが、計画的な保全の出発点になります。
2.定期点検で「内部まで」確認する運用に変える
外観の異常だけでなく、前面パネルを外して、冷温水・ドレン配管の接続部や保温材の状態、ドレンパン内の汚れ・詰まり・腐食、本体架台や周辺下地のサビ・変色・湿りを確認する点検手順を標準化します。あわせて、コーキングのひび割れや目地の隙間など、漏水の経路になりうる箇所もチェックします。
3.水分計・ファイバースコープなど簡易計測機器の活用
目視では判断しづらい床下・壁内の含水や、ユニット背面などの死角は、水分計(含水率計)による局所的な湿りの確認やファイバースコープによる内部目視といった簡易機器を併用することで、初期段階の漏水や結露の兆候を捉えやすくなります。
4.コーキング・配管・ユニット本体の計画的更新
コーキングや古い鋼管・銅管、製造後長期が経過したファンコイルユニットは、「壊れたら交換」ではなく、築年数・使用年数に応じた更新基準の設定、テナント入替や大規模修繕のタイミングに合わせた集中的更新を検討します。これにより、突発的な漏水事故や緊急工事を減らし、投資の平準化が図れます。
5.点検結果を写真付きで記録し、経年変化を追える状態にする
点検・清掃・補修のたびに、ユニット本体・配管・ドレン周り・下地の状態を写真とコメント付きで記録し、年ごとの変化を比較できるようにします。サビの進行やシミの拡大、結露頻度などを「見える化」することで、更新タイミングの判断材料になります。
6.IoTを活用した漏水・環境監視の導入を検討する
ドレンパン周辺やペリカウンター内部に漏水センサーや温湿度センサーを設置し、クラウドで監視する仕組みを導入すれば、夜間・休日も含めた24時間体制での異常検知や「にじみ漏れ」の段階での早期アラートが可能になります。特に複数拠点を管理する場合や、常駐人数が限られるビルでは有効です。
これらの取り組みを組み合わせることで、ペリカウンター内ファンコイルユニットの老朽化に伴う突発事故を減らし、計画的な更新と安定した空調環境の維持につなげることができます。
IoTプラットフォーム「MAIDOA plus」による漏水検知ソリューション
本稿では、ペリカウンター内ファンコイルユニット老朽化における課題と対策を中心に解説しました。
丸紅I-DIGIOグループでは、ファンコイルユニットの老朽化・漏水リスク対策としてご利用いただける、IoTプラットフォーム「MAIDOA plus(マイドアプラス)」を活用した漏水検知ソリューションを提供しています。

漏水センサーに加え、温度・湿度・CO2などの各種センサーとクラウドを連携させることで、複数拠点にまたがる建物や設備の状態を、リアルタイムかつ遠隔で一元的に監視することが可能です。
主な特長は以下の通りです。
- リアルタイム監視とアラート通知
漏水検知時に即座にクラウドへ送信され、ダッシュボード表示やメール通知に加え、オプションで警告灯点灯・電話呼び出し・音声読み上げなども可能。初動対応を大幅に早められます。
- データ蓄積と分析による予防保全
センサーの検知履歴をクラウド上に保存・分析し、漏水の発生傾向やリスク箇所を把握。定期点検や予防保全計画の高度化に役立ちます。
- 複数拠点の一元管理
ビル・マンション・ホテル・工場・倉庫など、複数施設を1つのダッシュボードで管理でき、情報共有と管理コストの削減を実現します。
- バッテリーレス無線センサーで導入しやすい
配線工事・電池交換の手間を抑えたバッテリーレス無線タイプを用意しており、工事が制約されがちな老朽オフィスビル(アスベスト対策が必要な建物など)でも導入しやすく、運用コストも低減できます。小型センサーを多数設置できるため、漏水位置の特定にも有利です。
MAIDOA plusを導入することで、迅速なアラート対応が可能となり、建物・設備の安全性向上と管理業務の効率化、コスト削減を同時に実現できます。ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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