導入:突然の無茶振りと、AIへの戸惑い(と冷や汗)
新卒としてこの部署に配属されて、まだ右も左も、上も下も、前も後ろも分からないある日のこと。
私のビジネスパーソン人生は、先輩からの「容赦のない一言」で幕を開けました。

先輩:「齊藤さん、今度の同行営業で、顧客の業務フローを予想したAIエージェントのデモを見せたいんだけど。ちょっと作ってみて」
齊藤:「(えっ!? デモ!?まず AIエージェントって何!?新卒の俺にそんなんつくれんの?)」
昨今、ニュースやSNSで「AIエージェント」や「業務自動化」という言葉を聞かない日はありませんよね。でも、それは「どこかのすごいエンジニアがやっている遠い世界の話」だと思っていました。いざ自分が作る側になるなんて。
「AIなんて難しそう」「そもそもプログラミングの知識ゼロやねんけど......」
頭の中は不安と冷や汗でいっぱいに。これは、そんなIT初心者の新卒社員が、社内ツールである「Gemini Enterprise」を相棒に、泥臭く使い倒すまでの等身大の試行錯誤の記録です。
エピソード①:最初の壁(マルチの暴走)と、掴んだブレイクスルー
最初に私が目をつけたのは、現場対応(配車や手配)を伴うBtoB企業の顧客を想定した業務フローでした。目をつけたのは以下の流れです。
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Webフォームからの依頼受付(すべての起点)
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社内の現場担当者へチャットで手配連絡
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顧客へ「一次受付完了」のメール返信
「よし、これを全部AIにやらせて、先輩をびっくりさせてやろっ!」そう意気込んだ私は、複数のAIが連携して動くという噂の「マルチエージェント」の構築に挑みました。司令塔のAIが、処理担当の2体のサブAIに指示を出す......そんなお洒落なシステムを目指したのです。
しかし、結果は大失敗。それも、見るも無残な大暴走でした。
AIたちの連携ルートが不安定になり、「社内チャットへの手配通知が重複して鳴り止まない」「なのに顧客への返信メールは漏れている」というカオス状態に。画面の前で完全にパニックに陥りました。

齊藤:「先輩、助けてください!AI同士が勝手に動いて、社内が通知の嵐です......!」
先輩:「画面真っ赤じゃん(笑)。齊藤さん、最初から複雑化させちゃダメだよ。まずは、シンプルに『シングルエージェント』から始めてごらん」
先輩のアドバイスを受け、私は悔しさをこらえて複雑な連携をきっぱりと諦めました。その代わり、1つのエージェントに対する「プロンプト(指示の出し方)」を徹底的に工夫することにしたのです。
具体的には、AIを分けず、1つのエージェントに対して「フォーム内容を読み、社内向けと顧客向けの『2つの文章』を同時に出力して」とシンプルに指示をまとめました。
すると、どうでしょう。あんなに暴走していた出力が、嘘のように劇的に安定したのです。無事に完成したエージェントデモは、先輩からもお褒めの言葉をもらい、大成功を収めました!
★齊藤の学び:
AIは魔法の杖ではない。最初から欲張って仕組みを複雑化させるのではなく、シンプルなシングルエージェントに的確な指示を出すことこそが、自動化への一番の近道。
エピソード②:自発的な挑戦と、「技術の壁」の小気味よい割り切り
デモの成功で少し天狗になった私は、次の訪問先で顧客がぼそっと漏らした「こんなAIがあったら毎朝ラクなんだけどな」というつぶやきを見逃しませんでした。
「今度は自発的に提案して、もっと驚かせてやる!」
そうして取り組んだのが、「朝のニュース収集エージェント」です。「朝のニュースを送って」とワンフレーズ入力するだけで、事前に設定した3つのテーマ(世界情勢、自社業界、AIの最新動向)を Google 検索し、3行の要約とURLを Gmail のドラフトに自動出力してくれる、まさに"お抱え秘書"のような仕組みです。
自分でも毎朝のインプットに使える自信作。......になるはずでした。しかし、ここで新たな技術の壁が立ちはだかります。
本当は「毎朝9時に完全自動で起動」させたいのに、現状の Gemini Enterprise 単体では時間指定(時間トリガー)ができなかったのです。
「諦めたくない!」と考えた私は、自動化を実現するために別の連携ツール「Google Workspace Studio」を使ってフローの構築を試みました。しかし、今度は Workspace Studio 内のニュース検索用Gemにおいて、肝心のニュースURL部分がすべて「[removed]」という文字に書き換えられてブロックされてしまうという謎の現象が発生したのです。
齊藤:「せっかくWorkspace Studioを使って自動化しようとしたのに、URLが全滅です。やっぱりAIって使えないんでしょうか......」
先輩:「いや、逆だよ齊藤さん。現状の Gemini 単体での自動化の限界はあるけれど、別ツールと連携したときにURLが消えるのは、自社の環境全体で強固なセキュリティ機能がしっかり働いている(=守りの盾)からこそなんだ」
先輩:「無理に完全自動化しなくても、人間が毎朝ワンフレーズ入力する『半自動』で動かすだけで、十分実用的だと思わない?」
先輩の言葉に、ハッとさせられました。企業が自由かつ安全にAIを活用できるのは、Google Cloud 基準の堅牢なセキュリティに守られているからこそ。
私はガチガチの完全自動化に固執するのをやめ、「実用性と安全性を最優先し、人間が任意のタイミングで実行するシングルエージェント」へと回帰する決断を下しました。結果、この「半自動」スタイルが最もエラーがなく、毎朝の相棒として最高に使いやすいツールになったのです。
先輩が語る未来:Gemini Spark と Antigravity への助走
ここで、今回の齊藤の奮闘を後ろで見守ってくれた、頼れる先輩からのワンポイント解説です。
経営層・IT責任者が知っておくべき「今、AIを触る意味」

「今回齊藤さんがぶつかった『時間指定ができない壁』や『連携の不安定さ』。実はこれ、もうすぐロールアウトされる次世代機能『Gemini Spark』や『Antigravity』で、あっさりと越えられるようになるんだよ。
例えば、Gemini Spark が展開されれば、スケジュール機能によって今回諦めた『毎朝9時の完全自動ニュース配信』が標準機能として実装される。さらに Antigravity を使えば、齊藤さんが最初に失敗したような複雑なマルチエージェントの構築や、システムを跨いだ高度なワークフローが、プログラミングなし(自然言語)で作れるようになる。
だからこそ、『今』シンプルなシングルエージェントで『AIへの的確な指示出し(プロンプト)』に慣れておくことが重要なんだ。それが、近い将来やってくる完全自動化時代に向けた、最高の『助走』であり、最大の投資(ROI)になるんだよ」
まとめと次回予告:新卒、AIを「相棒」と呼べるようになるまで
最初は「AIなんて魔法だし、難しそう」と完全に腰が引けていた私。しかし、マルチエージェントの暴走や、`[removed]`の壁というリアルな挫折を乗り越える中で、気づけば「今ある環境で、ベストな活用法を導き出す」というビジネスパーソンとして大切な視点を学んでいました。
AIをただの「便利なテキスト作成ツール」として終わらせるか、それとも「組織の知能を統合する武器」として育てるか。それは、使う私たちのマインド次第なのだと実感しています。
さて、私のAIエージェント探求の旅は、ここでは終わりません。
次回(後編)は、迫り来るAIの爆発的進化(Gemini Spark / Antigravity 時代)の足音を聞きながら、「現状の環境のままで、どこまで複数のタスクを連携させ、業務を効率化できるか」の限界に、さらに泥臭く挑戦します!次回の奮闘記も、ぜひお楽しみに!
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