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SAP導入のメリットと導入の流れや費用を解説

SAP導入を検討中の企業経営者やIT部門の方は、ERPや業務効率化、データ管理に関する課題にお悩みではありませんか。システム移行やコスト、成功のためのステップなど、分かりにくい点も多いのではないでしょうか。

本稿では、SAP導入のメリット、導入の流れ、費用の内訳までを詳しく解説します。SAPの導入計画において失敗を防ぎ、効果的な運用に繋がる知識が得られる内容となっております。

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SAP導入のメリット

SAP導入の主なメリットは、業務効率化やデータ管理の一元化など、多岐にわたります。

業務プロセスの標準化

SAPを導入することで、企業の業務プロセスを標準化できるため、全社的な統一ルールのもとで効率的な業務運営が可能となります。部門ごとに異なる運用方法やルールが散在していると、無駄が生じやすく、ヒューマンエラーのリスクも高まります。ERPを導入することでワークフローや業務手順が共通化され、社内の連携が強化されます。

また、標準化したプロセスを通じて業務効率化が進み、データ管理や品質向上にもつながります。実際の導入事例では、報告・承認フローや販売・在庫管理の一元化により、システム運用負荷の軽減や意思決定の迅速化を実現した企業も増えています。

データ管理の一元化

SAP導入によるERPの最大の利点のひとつが、データ管理の一元化です。部門をまたぐ情報が分散している状態では、情報の更新漏れや重複が発生しやすく、迅速な経営判断が難しくなります。SAPシステムを活用することで、営業・会計・在庫・人事など、さまざまな業務データを一つの基盤へ統合できます。

その結果、データのリアルタイム確認や分析が容易になり、業務効率化と正確なレポーティングが実現します。たとえば、四半期決算や在庫管理で異なる部門からの情報をまとめて一元管理することで、意思決定のスピードアップやリスクの最小化にもつながります。

作業履歴の見える化

SAP導入のもうひとつの特徴が、作業履歴の見える化が可能となる点です。各業務プロセスにおける変更履歴や操作記録を一元的に管理・確認できるため、「誰が・いつ・何を行ったか」を正確に追跡できます。

これにより、業務の透明性が向上し、内部統制やガバナンス強化に役立ちます。さらに、過去の履歴を踏まえた改善策の立案や、データ管理の最適化にもつながります。たとえば、会計処理や購買承認プロセスで履歴を可視化することで、作業漏れの発見や問題点の早期解決が期待できます。

SAP導入の流れ

SAP導入では、目的設定から運用まで、明確なプロセスを踏むことが重要です。

導入目的の明確化

SAP導入でまず重要となるのが、導入目的の明確化です。業務効率化やデータ管理の最適化、ERPによるシステム連携強化など、自社が実現したい成果を具体的に定めることが不可欠です。目的が曖昧なままでは、導入後の期待値と現実が乖離し、失敗のリスクが高まります。

既存の課題や将来的なビジネス戦略と結び付けてSAPを活用する企業も多く、導入計画の初期段階でヒアリングや現状分析を徹底することが成功のポイントとなります。目的が明確であれば、後続の要件定義や運用設計にも一貫性が生まれます。

製品・ベンダー選定

SAP導入プロジェクトでは、適切な製品およびベンダーの選定が重要なプロセスとなります。ERPには多様なモジュールが存在し、業種や業務規模によって最適な製品仕様は異なります。ベンダー選定においては、導入実績やサポート体制、コスト、カスタマイズ対応力などを比較検討する必要があります。

信頼できるベンダーは導入後も安定したシステム運用を支援してくれますので、失敗しない導入のためには慎重なパートナー選びが欠かせません。たとえば、契約範囲やプロジェクト管理能力など、具体的な視点を持って選定することで、企業のDX推進にも貢献できます。

要件定義

SAP導入の要件定義では、業務フローや必要機能、システム連携の範囲などを詳細に整理します。ERPの標準機能だけでなく、企業独自の業務プロセスやデータ管理の要件も明確化することが大切です。現場担当者とのヒアリングを重ねることで、運用上の課題や期待されるメリット・デメリットも把握できます。

また、法令対応や将来的な業務拡張にも配慮した設計が求められるため、要件定義の質が今後のプロジェクトの成否に直結します。たとえば、会計科目の設定や在庫管理の粒度、他システムとの連携ポイントなど、具体的な要件を整理していきます。

設計・開発

要件定義に基づき、SAPシステムの設計・開発フェーズへと進みます。システムの基本設計では、各業務プロセスをどのモジュールで実現するかを決定し、業務実態に合わせたカスタマイズについても検討します。ただし、過度なカスタマイズは避け、標準機能に業務プロセスを合わせる「fit to standard」を重視することが重要です。

開発フェーズでは、ERP標準機能の活用に加えて、特定業務に対する独自機能の追加も実装できます。データ管理の効率化や操作性向上を目指し、現場の意見を反映しながら進めることがポイントです。また、設計・開発段階で将来的な拡張性や運用負荷を見越した設計を行うことで、長期的な安定運用につなげることができます。

テスト

設計・開発が完了した後は、SAPシステムのテストが不可欠です。業務シナリオに即した結合テストや、正常系・異常系のパターン検証を通じて、システムの動作やデータ管理、業務効率化の実現度を確認します。

ユーザー部門との共同検証により、実際の現場業務を反映した運用テストを行うことで、運用開始後のトラブルを未然に防ぐことができます。たとえば、伝票処理や承認フローのテスト、本番環境でのデータ移行検証などを段階的に実施し、品質を担保する体制が求められます。

リリース・運用

SAP導入後は、システムのリリースから運用・保守まで、継続的なサポート体制が必要となります。リリース時には、新機能や業務プロセスの変更点を周知・教育し、システム移行を円滑に進めます。運用段階では、定期的な障害対応やバージョンアップ、データ管理の最適化などが求められます。

導入後もベンダーや社内IT部門との密な連携によって、システムの安定稼働と業務効率化を維持できます。たとえば、月例点検やユーザーからの問い合わせ対応、法改正時のアップデート対応など、運用保守業務を継続することで、企業価値の向上にもつながります。

SAP導入の費用

SAP導入にあたっては、初期費用だけでなく、運用コストも考慮する必要があります。

SAP導入費用の内訳

SAP導入費用の内訳には、ライセンス購入費、導入支援サービス費、システム構築費など、複数の項目が含まれます。ライセンス費用は導入規模や必要なモジュール数によって大きく変動します。また、ベンダーによる要件定義や設計・開発サービスにかかるコスト、ユーザー教育・サポート体制への支出も発生します。

運用開始後は、システム保守費用、バージョンアップ関連費用、必要に応じた追加開発費なども継続的に必要となります。社内リソースと外部委託のバランスによっても総費用は異なるため、事前の見積もりシミュレーションが欠かせません。

オンプレミスとクラウドの比較

SAP導入において検討される主要な選択肢として、オンプレミスとクラウドという利用形態の比較があります。オンプレミスは自社内にサーバー環境を構築し、システムやデータ管理を自社で制御できる点がメリットです。一方で、初期費用や保守コストが高くなり、拡張・更新時にも追加コストが発生します。

クラウド型は、初期投資を抑えやすく、運用負荷が軽減されるうえ、ERP機能のアップデートや拡張にも柔軟に対応しやすいメリットがあります。一方のデメリットとして、データ管理要件やセキュリティポリシーによる制約が生じる場合があります。自社の業務プロセスや将来の事業展開を見据えたうえで、どちらの形態が適しているかを検討することが大切です。

どのくらいの費用がかかるか

SAP導入にかかる費用は、従業員数や適用範囲、選択するERPモデル・モジュール数によって大きく異なります。中堅企業であれば数千万円規模、大企業では数億円単位のプロジェクトとなることもあります。クラウド型導入であれば、月額数十万円からスタートできる場合もあり、オンプレミス型の場合は初期投資やシステム構築費用が高額になりやすい傾向があります。

また、導入支援サービスやカスタマイズ開発、運用保守にかかる費用も加味する必要があります。正確な費用を算出するためには、ベンダーに詳細な見積もりを依頼することが不可欠です。

SAP導入はシステムに自社の業務を合わせることが重要

SAP導入を成功させるためには、「システム側に自社の業務を合わせる」という意識が不可欠です。ERPの標準プロセスや業務効率化の効果を最大限に活用するためには、従来の業務手順を見直し、標準機能に合わせた業務運営を目指すことが重要となります。

過剰なカスタマイズを行うと、費用増加や運用負荷の増大、バージョンアップ対応の遅延といったリスクが生じる可能性があります。実際の事例でも、システム標準に合わせて業務改善を進めたことで、データ管理の統一や作業履歴の見える化が実現し、生産性向上に成功した企業が少なくありません。

SAP導入は丸紅I-DIGIOグループにお任せください

SAP導入をご検討の際は、丸紅I-DIGIOグループにぜひご相談ください。当グループはSAPの黎明期である1996年より取扱いを開始し、丸紅の基幹システムとしての導入を進めてきました。そのほか、プライムベンダーとしての導入経験も数多く有しております。

また、自社のERPにもSAPを採用しており、セルパートナーとしての販売はもちろん、ユーザー目線に立ったご提案も可能です。システム設計から運用・保守に至るまで、ワンストップでお客様をサポートし、SAPのメリットを最大限に活かしながら、導入に伴うデメリットやリスクにも丁寧に対応いたします。安心してSAP導入を進めていただけるよう、当グループが総合的にご支援いたします。ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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