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建物の漏水対策入門:ポイントをわかりやすく解説

漏水対策は、建物の構造物や配管の老朽化、異常気象による雨漏りなどから生活を守るため、ますます重要性が高まっています。漏水トラブルでお困りの方も多いのではないでしょうか。本稿では、防水工事や応急修理、劣化症状の見極め方、漏水検知ソリューションの活用例など、幅広い漏水対策の方法を解説します。

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漏水対策の重要性とは?

漏水対策は建物の安全性や快適な生活を守るために欠かせない取り組みです。

建物や設備への影響

漏水が発生すると、構造物の劣化が急速に進行しやすくなります。たとえば、木造や鉄骨をはじめとする建物の基礎部分が水分によって腐食・錆びることで強度が低下し、最悪の場合は安全性が失われます。また、配管の漏水は壁や床材のシミやカビ、さらには電気設備まで被害が及ぶことも少なくありません。漏水による湿度の上昇は、居住者の健康リスクにもつながります。さらに、漏水が放置されると修理費用も高額化しやすく、営業施設やホテルなどでは顧客満足度の低下や営業停止といった深刻な経済的損失にもつながります。漏水対策の実施は、未来の高額修繕やトラブルを未然に防ぎ、大切な資産を守る基盤となるのです。

漏水対策のメリット

漏水対策を適切に行うことで、建物の寿命を延ばすだけでなく環境の向上にもつながります。事前に防水工事や構造物のメンテナンスを実施することで、劣化症状や漏水によるトラブルを未然に防ぐことができます。また、漏水センサーや相関式漏水探知器の活用により、配管の異常を素早く検知し、応急修理にも迅速に対処できます。定期的な点検とIoT技術の導入によって、大規模施設でも効率的に漏水リスクを管理できます。これらのメリットにより、修理費用や営業損失を抑えつつ、資産の価値を維持することができるのです。

漏水の主な原因

漏水の主な原因は設備の老朽化や自然災害による損傷です。

老朽化による劣化

建物や配管は年数が経つにつれて劣化症状が現れてきます。長年の使用でパイプの接合部が傷み、隙間ができやすくなり、そこから漏水が発生することがあります。特に配管の素材が古い場合、錆や腐食が進みやすく、微細なひび割れが水漏れを引き起こします。マンションや公共施設では、地下配管や外壁といった目視で確認しにくい部分から漏水トラブルが発生するケースも多く見られます。劣化症状を早期に発見するためには、構造物の定期的な点検、音聴調査を取り入れることが重要です。

自然災害による被害

異常気象や自然災害によって引き起こされる漏水も近年増えています。台風や集中豪雨による防水工事の破損が原因で、屋根や外壁から水が浸入しやすくなります。また、地震による建物の揺れや地盤沈下によって配管がずれることで漏水が発生する場合もあります。こうした被害を最小限に抑えるためには、防水工事の定期的なメンテナンスや耐震補強が欠かせません。加えて、漏水センサーやIoT機器を導入することで、予兆となる構造物の異変や水位変化をリアルタイムで把握でき、迅速な応急修理や安全対策につながります。自然災害がもたらす漏水のリスクに備えた対策は、建物保全にも直結します。

漏水の検出方法

漏水の検出には漏水センサーの活用や音聴調査が重要です。

漏水センサーの活用

漏水センサーは、配管や床下、機械室などに設置することで水分の増加を自動検知し、リアルタイムで異常を通知できる装置です。特にIoT技術を活用した漏水センサーは、複数の場所を同時に常時監視できるため、マンションや商業施設のメンテナンス担当者にとっては非常に助かる存在となっています。異常検知後は応急修理や本格的な防水工事の手配がスムーズに進められます。また、漏水の発見が早ければ早いほど修理費用が抑えられ、居住者や利用者への影響も最小限に留められます。最新の漏水検知システムは、スマートフォン連携や遠隔操作に対応したものも登場しており、建物管理の効率化とトラブルの予防に大きく貢献しています。

漏水センサーの活用は非常に有効ですが、導入には注意すべき点もあります。
導入に際しては、初期導入コストが高額になる傾向があること、また、センサーの設置場所の特定や設置作業に専門的な難しさが伴うといった点に留意が必要です。 特に、古い建物などでは、センサーの設置場所や配管周辺にアスベスト含有建材が使用されている可能性があり、取り付け作業を実施する場合は、事前の調査と適切な対応が求められます。これらの課題を解消することが、より効率的かつ広範囲な漏水対策の鍵となります。

音聴調査と相関式漏水調査

音聴調査は、漏水が発生している箇所から出る微細な音を専用機器で聞き分ける検査方法です。熟練した技術者が配管や構造物の表面にセンサーを当て、内部の異常音を分析することで精度高く漏水地点を特定することができます。さらに、相関式漏水探知器は配管の両端にセンサーを設置し、漏水地点までの距離を相関計算によって割り出す方法です。これにより、建物の床下や壁内など目視が困難な部分も正確に検出可能です。両調査とも早期に漏水被害箇所を特定できるため、応急修理や防水工事へ迅速につなげることができます。

一方で、いくつかの課題も存在します。音聴調査は、調査員の習熟度に精度が左右されるほか、周辺の騒音に影響を受けやすいという欠点があります。また、相関式探知は、配管の材質や構造といった条件によって、測定精度が低下する場合があります。調査を検討する際は、これらの制約と特性を十分に理解し、適切な手法を選択することが重要です。

構造物と配管の漏水対策

構造物や配管の状態を確認し、適切な漏水対策を実施することが重要です。

防水工事の基本

防水工事は漏水を防ぐ最も基本的な対策方法です。屋根や外壁、ベランダなど雨や湿気の影響を受けやすい部位に防水材を施工し、水分が構造物内部に浸入するのを防ぎます。防水工事には塗膜防水やシート防水、アスファルト防水など、さまざまな工法があり、建物の構造や用途に合わせて選ばれます。施工前には劣化症状のチェックと音聴調査を行い、問題箇所を特定するのが効果的です。商業施設やホテルでは、耐久性やコストパフォーマンスも重視されるため、高品質な防水材料やIoT監視システムの導入が推奨されます。定期的なメンテナンスで防水工事の効果を長持ちさせることが、長期的には修理や修繕費用の削減につながります。

応急修理の方法

漏水が見つかった際の応急修理は迅速な対応が重要です。小さなひび割れには防水テープや樹脂パテを使って一時的に水漏れを止めることができます。たとえば、給水管での漏水の場合は、バルブを閉じて水の供給を止め、漏水箇所に補修材を施します。ただし、応急修理は一時的な対策なので、必ず専門業者による点検と根本修理が必要です。また、応急修理を行う際は漏水センサーや音聴調査を活用し、被害範囲を正確に把握することが重要です。IoT対応の漏水検知システムなら、遠隔から異常通知を受けながら現場の状況を判断できるため、迅速かつ的確な応急処置のサポートになります。

MAIDOA plusで実現する最新の漏水検知ソリューション

本稿では、漏水対策の重要性や主な原因、具体的な検出方法や修理・防水工事のポイントについて詳しくご紹介しました。漏水を放置すると、構造物の劣化症状が進み修理費用が高額になるだけでなく、居住環境や施設運営にも大きな影響を及ぼします。漏水センサーやIoT技術を活用することで、早期発見と迅速な応急修理、将来的な漏水トラブルの未然防止が可能となります。
丸紅I-DIGIOグループが提供する「MAIDOA plus(マイドアプラス)」は、漏水リスクの早期発見と迅速対応を実現するIoTプラットフォームです。

MAIDOA plusとは?

MAIDOA plusは、各種センサーとクラウド管理を組み合わせたIoTサービスです。漏水センサーをはじめ、温度・湿度・CO2などの環境センサーも接続でき、取得したデータはクラウド上で一元管理され、複数拠点の状況も遠隔からリアルタイムでモニタリングできます。

MAIDOA plusを活用した漏水検知ソリューションの特長

MAIDOA plusを活用した漏水検知ソリューションの主な特長を紹介します。 

1.リアルタイム監視とアラート通知

漏水センサーが水漏れを検知すると、即座にクラウドに情報を送信。ダッシュボード表示、メール通知だけではなく、オプション対応として警告灯の点灯、電話呼び出しおよびメッセージ読み上げなども対応可能で、管理者にリアルタイムでアラートを発報します。これにより、漏水発生時の初動対応が迅速に行えます。

2.過去データの蓄積と分析

センサーの検知履歴をクラウド上で保存・分析できるため、漏水の発生傾向やリスク箇所の特定が容易になります。定期点検や予防保全にも役立ちます。

3.複数拠点の一元管理

ビル、マンション、工場など複数の施設を一つのダッシュボードで管理可能。管理コストの削減と、迅速な情報共有が実現します。

4.バッテリーレス無線タイプのセンサー

設置が容易でメンテナンスも少ないバッテリーレス無線タイプのセンサーを販売しており、従来モデルに比べて工事コストおよび運用コストを大幅に抑えて、漏水検知の仕組みをご導入いただけます。
特に老朽化が進んだオフィスビルなどはアスベスト対策等で追加工事自体が難しかったり、対応コストが膨らんでしまうことがありますが、そのようなケースでも検討しやすいタイプとなっています。また、無線タイプで小型のセンサーを多数設置可能なため、漏水場所の特定にも役立ちます。

活用シーン

本ソリューションの主な活用シーンをご紹介します。

1.オフィスビル・マンション・ホテル

MAIDOA plusを導入することで、IoTを活用した漏水検知と迅速なアラート対応が可能になります。建物や設備の安全性を高め、管理業務の効率化とコスト削減を同時に実現できる、次世代の漏水対策ソリューションです。

2.工場・倉庫

生産設備や保管エリアの床面にセンサーを設置し、万が一の漏水時も被害の最小化が可能。高額な設備や商品を守ります。

MAIDOA plusを導入することで、IoTを活用した漏水検知と迅速なアラート対応が可能になります。

建物や設備の安全性を高め、管理業務の効率化とコスト削減を同時に実現できる、次世代の漏水対策ソリューションです。ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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