情報漏洩が発生する3つの主な原因
情報漏洩を防ぐためには、まず発生の原因を正しく理解し、それぞれに適切な対策を講じることが大切です。情報漏洩の原因は、大きく分けて外部からの攻撃、内部での不正、そして従業員のミスの3つに分類されるからです。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が発表した「情報セキュリティ10大脅威 2025」でも、これらの要因が組織に対する脅威の上位を占めています。原因を把握することで、自社のセキュリティ対策のどこに弱点があるのかを見極めることができるでしょう。ここでは、それぞれの原因について詳しく解説します。
情報セキュリティ10大脅威 2025 | 情報セキュリティ | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
悪意ある外部からのサイバー攻撃
外部からのサイバー攻撃は、情報漏洩を引き起こす代表的な原因の一つです。攻撃者は企業の機密情報や顧客データを狙い、巧妙な手口でネットワークへの侵入を試みるからです。
代表的な手口として、データを暗号化して身代金を要求するランサムウェアや、関係者を装って不正なリンクをクリックさせる標的型攻撃メールなどが挙げられます。とくに近年は、サプライチェーンの弱点を突いて、セキュリティの甘い関連企業を経由してターゲット企業に侵入するケースも増えています。
このような悪意ある攻撃に対しては、最新の脅威動向を把握し、システムの脆弱性を速やかに解消する対応が求められます。

従業員による内部不正
情報漏洩は外部からの攻撃だけでなく、社内の従業員や退職者による意図的な持ち出しによっても引き起こされます。アクセス権限を持つ内部の人間による犯行は、システムで検知しにくいという特徴があるからです。
転職先に顧客リストを持ち出したり、金銭目的で機密データを外部の業者に売却したりするケースが考えられます。IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2025」でも、内部不正による情報漏洩等の被害は上位にランクインしており、組織にとって無視できない課題です。内部不正を防ぐためには、システム的なアクセス制御と合わせて、従業員の倫理観を育む組織的な仕組みづくりが必要となります。
ヒューマンエラーと人為的ミス
意図的な不正がなくても、従業員の不注意や操作ミスによって情報漏洩が発生するケースは非常に多く存在します。日々の業務のなかで、人間は誰しもミスを犯す可能性があるからです。
メールの宛先間違いによる重要ファイルの誤送信や、顧客データが入ったUSBメモリを電車内に置き忘れるといった事例が挙げられます。また、システムの設定ミスにより、本来非公開にすべきデータがインターネット上で誰でも閲覧できる状態になってしまうこともあります。ヒューマンエラーをゼロにすることは難しいため、ミスが起きても被害を出さないようなシステム的な安全網を用意しておくことが効果的です。
企業に必要な情報漏洩の防止策
企業に必要な情報漏洩の防止策を以下で解説します。
情報資産を無管理で放置・廃棄しない
企業が保有する情報資産は、継続的な管理が求められます。
放置や無管理のまま廃棄されたデータには、経営情報や顧客情報など機密性が高いデータが含まれている場合があります。これらを適切に管理せずに廃棄すると、外部攻撃や内部不正による情報漏洩リスクが急激に高まります。
そのため、廃棄時にはデータを安全に消去する方法を選び、専門業者による安全な処理を徹底する必要があります。
あわせて、放置されたデバイスや書類も定期的に棚卸しを行い、管理台帳と実態の整合性を確認しましょう。情報資産の所在と状態を常に把握しておくことが、情報漏洩対策の根幹となります。
承認なく権限移譲や情報の開示を行わない
情報漏洩防止には、厳格な権限管理が重要です。承認プロセスを経ずに権限移譲や機密情報の開示を行うと、内部不正が発生するリスクが高まります。
具体的には、管理者や責任者による承認フローを整備し、アクセス権・利用権の見直しを定期的に行うことが重要です。ITシステム上では権限を細分化し、必要最小限のユーザーのみが重要情報へアクセスできる状態を維持することが求められます。
また、操作履歴のログ管理もあわせて行えば、万一不正や事故が発生した際に、迅速な原因究明と対応が可能になります。
情報漏洩リスクの低減には、承認プロセスの徹底が有効です。
情報資産やデバイスの不必要な持ち出し・持ち込みを禁止する
企業の情報資産や業務用デバイスの持ち出し・持ち込みに関しては、厳格なルールの運用が必要です。持ち出しや持ち込みを適切に管理しない場合、外部攻撃や内部不正による情報漏洩リスクが急増します。
たとえば、USBメモリやノートPCを外部に持ち出した際に、不正アクセスや紛失による情報漏洩が現実に多発しています。持ち出しは業務上必要最小限とし、承認制を導入することで、事故を未然に防ぐことが可能です。
また、持ち込み機器にもエンドポイント対策ソフトウェアなどのセキュリティ対策を施し、社内システムとの接続時にリスクを排除します。定期的な従業員教育により、持ち出し・持ち込みに関する意識の向上を図ることも大切です。
信頼性不明なメール・サイトへアクセスしない
情報漏洩の多くは、外部攻撃を受けやすい信頼性不明なメールやWebサイトへのアクセスから発生しています。特に、巧妙なフィッシングメールや偽装サイトは、従業員個人の判断だけでは防ぎきれないケースもあります。
メールやサイトのURLを都度確認し、怪しいリンクや添付ファイルは不用意に開かないことが基本です。加えて、メールサーバやWebフィルタリングサービスを活用した技術的防止策を導入することが効果的です。
企業全体でこのリスクを共有し、従業員教育を定期的に行うことで、情報漏洩リスクを大幅に減らせます。信頼できる発信元のみを利用する姿勢が、防止策の第一歩となります。
セキュリティ教育により社員のリテラシーを向上させる
情報漏洩対策の成否は、社員一人ひとりの行動に大きく左右されます。従業員教育を通じて、情報セキュリティの基礎知識や日常業務での注意点を徹底することで、企業全体のリテラシーが高まります。
具体的な教育内容としては、パスワード管理や多要素認証の重要性、社外持ち出しのルール、内部不正や外部攻撃への対応策などが挙げられます。定期的な研修やeラーニングの導入により、従業員のセキュリティ意識を維持・向上させることが可能です。
また、実際の漏洩事例を活用したロールプレイやワークショップも、実践的なリテラシー向上に有効です。
個人情報の管理を徹底する
個人情報は、法令や各企業の規定に従い、厳重な管理が必要です。社員の氏名や連絡先、顧客データなどを含む個人情報が漏洩すると、企業の信頼性低下だけでなく、多大な損害賠償や社会的信用の喪失につながります。
そのため、個人情報の記録には暗号化やデータマスキングを採用し、万が一データが流出した場合でも内容を読み取れない状態にしておくことが効果的です。加えて、個人情報保護法などの関連法令に準拠した管理体制を整備することも欠かせません。
万一漏洩が発生した場合に備え、対応マニュアルを整備し、速やかに原因調査と被害拡大防止に努める体制を構築しておくことも重要です。個人情報は一度漏洩すると被害の回復が困難なため、技術面と運用面の両方から保護策を講じておきましょう。
シャドーITを禁止する
シャドーITとは、会社が許可していない個人の端末やサービスを業務に使うことです。個人のチャットツールで業務連絡を行うなど、便利な反面大きなリスクを伴います。
会社側でセキュリティを管理できないため、ウイルス感染やデータ流出の原因になります。情報漏洩のリスクを減らすためにも、社内ルールで明確に禁止することが大切です。
ただ禁止するだけではなく、従業員が使いやすい公式のツールを提供することも大切です。業務効率と安全性の両立を図ることが、問題の根本的な解決へとつながります。
情報漏洩対策ツールを導入する
情報漏洩対策ツールの導入は、企業の情報セキュリティ強化において重要な取り組みです。多要素認証ツールやエンドポイント対策ソリューション、暗号化ソフトウェア、DLP(データ損失防止)製品に加え、データマスキングツールも代表的な例です。
これらのツールは、具体的な機能や対応できるリスクが製品ごとに異なります。導入時は、業務環境や情報資産の規模に応じた製品選定が重要であり、運用には従業員教育や定期的なアップデートが欠かせません。
このようなツールを導入することで、情報漏洩リスクの軽減を期待できます。
情報漏洩対策にはさまざまな対策が必要
情報漏洩に対抗するには、多角的な防止策や技術的な対応が求められます。
脆弱性対策
脆弱性対策は、情報漏洩防止の基盤となります。企業のシステムやソフトウェアには、常に新たな脆弱性が発見され続けています。これを放置すれば、外部攻撃者によってセキュリティホールを突かれ、情報漏洩に直結するリスクが生じます。
定期的なアップデートやセキュリティパッチの適用は、攻撃者の侵入を予防する基本的な防止策です。脆弱性診断ツールを活用し、管理者が検知と修正を迅速に行う体制を整えることも重要です。
また、不審なプログラムへの注意やアップデートの必要性を従業員に周知することも、対策の実効性を高めるうえで重要です。適切な脆弱性対策によって、情報漏洩リスクを大幅に低減できます。
ログ管理
ログ管理は、情報漏洩防止策の一つとして非常に重要です。ログにはシステムの操作履歴やアクセス記録が保存されており、不正なアクセスや内部不正の発見・追跡に役立ちます。
企業がこの履歴を適切に収集・分析することで、情報漏洩の兆候を早期に察知し、迅速な対応が可能となります。具体的には、アクセス権限ごとのログ保存や、不審な活動に対する自動警告機能を設けることが推奨されます。
また、ログデータは改ざんや消去を防ぐためにもセキュアなサーバで保管し、定期的なチェックを徹底しましょう。全従業員への教育と継続的な運用により、不正の早期発見と被害の最小化につながります。
多層防御
多層防御は、情報漏洩対策の強化に効果的な手法です。これは、複数の防止策やセキュリティ技術を組み合わせて、外部攻撃や内部不正などさまざまな脅威から情報資産を守る仕組みです。
具体例としては、ファイアウォール、アンチウイルスソフト、多要素認証、エンドポイント対策の同時活用が挙げられます。万一、一つの防御策が突破された場合でも、次の層が攻撃を遮断する設計になっていることが、多層防御の大きな利点です。
また、人為的対策と、最新ツール導入による技術的対策を組み合わせることで、情報漏洩リスクを最小化できます。多層防御は、今後ますます重要度を増していく取り組みといえます。
自社だけでなくサプライチェーンを含めた対策の徹底
近年、取引先や関連会社を踏み台にするサプライチェーン攻撃が増加しています。自社の守りが強固でも、対策が手薄な業務委託先から情報が漏洩するリスクがあります。そのため、サプライチェーン全体を含めた情報漏洩対策の徹底が重要です。委託先にも自社と同等の基準を求め、定期的に監査を行う仕組みを整える必要があります。
万が一に備え、責任の所在や報告のルールを契約で明確にしておくことも欠かせないポイントです。関係企業が協力し合うことで、より強固な情報漏洩対策が実現します。
データマスキング
データマスキングは、個人情報や機密データの漏洩リスクを低減する有効な技術です。これは、データベース上の本来の情報を匿名化や仮のデータで覆い隠すことで、外部攻撃や内部不正による漏洩が発生しても、実際の情報が保護される仕組みです。
特に、開発環境やテスト環境などで本番データを利用する際に有効です。データマスキングを施すことで、法令遵守や個人情報保護のレベルも向上します。
また、専用のデータマスキングツールを選び、業務フローに連動させて運用することで、安全性だけでなく作業効率化にもつながります。情報漏洩対策と法令遵守の両面で、データマスキングは有効な手段です。

個人情報漏洩リスクを低減するデータマスキングソフトウェア「Insight Masking」
丸紅I-DIGIOグループが2025年7月に提供開始した「Insight Masking」は、企業が保有する個人情報や機密情報を安全に活用するためのデータマスキングソフトウェアです。
近年、企業ではDX推進やデータ活用の拡大により、顧客情報・従業員情報・取引先情報など、さまざまな機密データを扱う機会が増えています。一方で、サイバー攻撃や内部不正、開発・検証環境でのデータ利用などをきっかけとした情報漏洩リスクも高まっており、「データを活用したいが、漏洩リスクは最小限に抑えたい」という課題を抱える企業は少なくありません。
Insight Maskingは、こうした課題に対し、国産モデルの独自AIを活用して機密性の高い情報を自動で検知し、実データを仮データや匿名化された情報へ置き換えることで、安全なデータ利用環境を実現します。氏名、住所、電話番号、メールアドレス、顧客番号などの個人情報を自動で行うため効率的にマスキングできます。
そのため、作業負荷を軽減しながら、情報漏洩リスクの低減に貢献します。
また、Insight Maskingは多種多様な業務システムとの連携に対応しており、既存のシステム環境に合わせて導入しやすい点も大きな特長です。クラウド環境はもちろん、オンプレミス環境でも利用できるため、セキュリティポリシーや業務要件に応じた柔軟な運用が可能です。開発・テスト環境、データ分析基盤、外部委託先とのデータ連携など、実データをそのまま扱うことに不安がある場面でも、安全性を確保しながら業務を進められます。
さらに、個人情報保護法をはじめとした各種法令やガイドラインへの対応が求められる中、Insight Maskingはコンプライアンス強化の観点からも有効なソリューションです。万が一の漏洩事故を未然に防ぐだけでなく、企業としての説明責任やガバナンス強化にもつながります。
「データは活用したい。しかし、個人情報や機密情報は守りたい。」
Insight Maskingは、その両立を支援する次世代型の情報漏洩対策ツールです。企業の信頼性を守り、顧客や取引先に安心を提供するための新たな選択肢として、今後ますます注目されるソリューションといえるでしょう。
まとめ
本記事で解説した、企業における情報漏洩対策の重要なポイントをまとめます。
本記事では、企業における情報漏洩対策の重要性と、実施すべき基本的なポイントについて解説しました。
- 情報漏洩の主な原因は、外部からのサイバー攻撃、内部不正、ヒューマンエラーの3つである
- 情報資産の厳格な管理、社内ルールの徹底、継続的な従業員教育が基本的な防止策となる
- 脆弱性対策や多層防御に加え、サプライチェーン全体を意識した多角的・技術的な対応が求められる
- 機密データを安全に活用するためには、データマスキングなどの専門ツールの導入も効果的である
情報漏洩は、一度発生すると企業の信用低下や損害賠償、取引停止など、事業継続に大きな影響を及ぼす可能性があります。そのため、日頃から自社のセキュリティ体制を見直し、情報資産を適切に管理・保護する仕組みを整えることが重要です。
特に、開発・検証環境でのデータ利用、データ分析、システム移行、外部委託先との情報連携など、実データを扱う場面では、機密情報や個人情報をそのまま使用しない対策が求められます。
そこで有効なのが、機密情報を安全に匿名化・仮名化できるデータマスキングです。
「Insight Masking」は、大規模言語モデルを活用し、個人情報を速く正確に検知・匿名化することで、業務でのデータ活用を妨げることなく、情報漏洩リスクの低減を支援します。
データ分析や環境移行、開発・テスト環境での利用など、さまざまなシーンで安全なデータ活用を実現したい企業にとって、有力な選択肢となるソリューションです。
Insight Masking お役立ち資料
Insight Maskingの紹介資料をダウンロードいただけます。





