農業のIoT活用例4選 | 農業の課題と導入ポイントを解説

IoTの活用範囲は広範囲に広がっており、家庭やビジネス、都市空間や、各種の産業などの領域で活用シーンが増えています。農業においても、農耕機械の自動化やドローンによる水やりといった活用がされています。

本稿では、農業の課題からIoTの活用例を解説するとともに、IoTを導入する際に注意すべきポイントについても解説していきます。

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IoTとは?

IoTとは、Internet of Thingsの略称で、日本語では「モノのインターネット」と訳されます。急速に進化・浸透するインターネットを活用して、多様なデバイスやオブジェクトと相互に通信したり、データをやり取りしたりすることで、さまざまな情報の共有・活用を促進する仕組みのことを指します。農業分野では、後継者不足による人手不足の解消、作業の効率化、農作物の生産量増加のためにIoTが活用されつつあります。IoTの活用例は以下にて解説しています。

農業における課題

高齢化と従事者減少

現在、農業従事者の高齢化が進み、後継者不足による農業従事者の絶対数減少が深刻化している状況です。農業はもともと労働集約型であり、人が直接関与する細かな作業が多くあります。一部の農作業では、労働力不足を解消するためにさまざまな農耕機械が日々進化しており、大規模農家では少人数でも効率的な農作業ができるようになってきていますが、さらなる効率化と人手の削減が求められています。

ノウハウの属人化

農業は、主に自然や生き物に関わる仕事のため、小さな環境の変化が作物や家畜の生育に影響することがあります。しかし、どのような環境の変化が農作物や家畜の生育に影響を与えるかを判断するのは、ほとんどは農家が長年携わってきた中で身につけた経験や勘、直感に基づく知識です。そのため、そうしたノウハウをマニュアル化し、継承していくことが難しいといわれています。

労力がかかる

ハウス栽培などにおいては、ハウス内の温度管理ひとつ取り上げても、定期的に人が現場に足を運び、目視で温度計を確認し、必要に応じて調整作業をしています。1日に何度も現場に足を運び温度計や湿度計を目視確認しているケースも少なくありません。こうした労力がかかる作業の効率化が期待されています。

農業におけるIoT活用例4選

ハウス内の状態を可視化

ハウス内にセンサーを設置して、土壌の湿度、温度、CO2濃度などの環境データを収集し、これらのデータを解析することで、作物の生育状態と栽培環境の相関関係を明らかにします。そして、そこから最適な生育条件など導き出し、それらを生かすことで、作物の効率的な管理と、収穫量の最大化に役立てることができます。また、温度管理をセンサーに置き換えることで、センサーが設定した時間に自動的に温度を計測し、そのデータをインターネット経由で管理者に送信することもでき、さらに、各種センサーを活用し、IoT化することで、水量やCO2濃度など、さまざまなデータを取得することができます。これにより、管理者はわざわざ現場に足を運ぶことなく、現場の状況を確認・把握することができ、作業効率を飛躍的に向上させることができるようになります。

水田の遠隔監視制御

活用事例として、水田に、水位・水温・風速センサーと、遠隔管理用のIoTカメラを設置した事例があります。これらのセンサーを通じて、水位や水温の変化を把握できるほか、カメラで稲穂の様子を確認することもできます。また、水田につながる水門の開閉を遠隔操作する装置も設置しました。水田は管理する農家の自宅からかなり離れた場所にあり、水田の確認や監視は大変でしたが、IoT化により自宅に居ながら確認できるようになりました。台風や大雨の際には、センサーデータやIoTカメラで監視して現地の状況に基づき、遠隔で水門を開閉して、最適な水田環境を維持することができます。

管理ノウハウのデータ蓄積・分析・見える化

水田の水位や水温の変化等をデータとして保存し、それらのデータを分析することによって、水田での水位や水温の変化が生育に及ぼす影響を明らかにします。これらの情報を管理ノウハウとして蓄積することで、より効率的な管理や高い生産性を実現することが可能です。IoTにより、熟練者の知見・ノウハウを「見える化」することができます。

飼料サイロでの作業リスク回避

飼料サイロの中には高さが5m以上あるものもあり、サイロの中身がどれだけ減っているかを確認するためには、人がはしごを使ってサイロの上まで登り、目視で確認する必要がありました。サイロはいくつもあり、すべてのサイロを目視で確認するのはとても大変な作業でした。また、高いところに登るのは危険な作業でもありました。そこで、サイロ上部の蓋にセンサーを設置し、サイロ内の飼料残量をWebアプリケーションでいつでも確認できるようにしました。これにより、危険な重労働がなくなり、飼料発注のタイミングも最適化されました。

農業をIoT化する際の注意ポイント

IoT化を進めることによって、農業全般の省力化、効率化、そして生産量の拡大を可能にします。IoT化が加速すれば、農家の人手不足問題や生産効率の向上にも寄与できます。また、農家の長年の経験や勘、直感に基づいたノウハウや知識を「見える化」して継承することができます。そこで、IoT化にあたっての注意すべきポイントを解説します。

目的の明確化と必要となる取得データの精査

現在、IoT化のためのセンサーは多種多様にありますが、価値のないデータを取得するのは意味がないことです。そのため、どんな目的で、何を知るためにIoT化するのか見極める必要があります。まず、本当に必要な情報は何かを精査し、必要なセンサーを選定して「見える化」することが重要です。さらに、IoTの目的、つまりデータを「見える化」することで何を効率化できるかを明確にすることも忘れてはいけません。

電源供給と通信環境の確認

設置場所によっては、電源の確保が困難であったり、通信のための電波受信が困難であるなどの弊害が生じることがあります。電源の確保が困難な場合は、バッテリーを内蔵した製品を使用することで解決できる場合があり、電波の受信が困難な場合は、有線接続を検討する必要がある場合があります。環境をしっかりと把握した上で、機器やシステムを選択することが必要です。

これらの点をスムーズにクリアし、目的に沿った効率的なIoTを導入するためには、この分野の専門家を交え、適切なアドバイスを受けながら進めていくことが成功への近道といえます。

農業のIoT化に役立つ「MAIDOA plus」

IoTプラットフォーム「MAIDOA plus」は、農業のIoTを推進する上で便利な機能とメリットを兼ね備えています。まず大きな特徴として、MAIDOA plusが対応するセンサーの種類が豊富なことが挙げられます。この豊富な対応センサーにより、導入当初に想定していなかった新しいセンサーを追加する必要が生じた場合でも、システムを改修することなくスムーズに導入することができます。

各種データを管理する管理画面は、ユーザーの使い方に合わせたオリジナル画面を簡単に作成できるため、見やすく、使いやすく、ユーザビリティの高いダッシュボードを用意することが可能です。

また、MAIDOA plusは、各種センサーから取得したデータを管理するだけでなく、各種画像データや他システムなどから出力されるAI解析データを解析し、センサーデータと組み合わせることで、新たな知見を得ることができます。

必要なハードウェアが揃っていれば、導入に要する期間は最短で1週間程度です。MAIDOA plusは、できるだけ早くIoTに移行したいというニーズにも迅速に対応することができます。

弊社ではデータの収集・分析から活用までトータルにサポートし、さまざまな業態のIoT化の企画支援も行っています。

MAIDOA plus お役立ち資料

MAIDOA plusの紹介資料をダウンロードいただけます。

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