丸紅I-DIGIOグループは、10月6日(火)に虎ノ門ヒルズフォーラムで開催された、日本オラクル株式会社主催のイベント「Oracle AI Forum」に登壇しました。
本イベントは、AIエージェントをはじめとする最新のAIテクノロジーを、企業が抱える実務課題の解決やビジネス価値の創出につなげることを目的とした展示会です。
会場内で行われたセッション「ファイントゥデイ・UCCグループ・中本&アソシエイツが語る、SCMで動き始めたAIエージェント」では、丸紅I-DIGIOグループ 中本・アンド・アソシエイツ 執行役員の小西が、パネルディスカッションのモデレーターを務めました。
本セッションには、Oracle Fusion Cloud ERPのお客様である株式会社ファイントゥデイ IT本部の槙マネージャーと、UCCグループでシステムを担う株式会社ユーコット・インフォテクノ ビジネスデザイン&ソリューション本部の馬場マネージャーをお迎えし、実業務におけるAIエージェント導入のリアルな知見や今後の展望について議論が交わされました。

右:ファイントゥデイ 槙マネージャー
登壇・ディスカッションのハイライト
1. AIエージェント活用の着手背景と現場のリアル
昨年10月にラスベガスで開催された「Oracle AI World 2025」での発表を皮切りに、いち早くAIエージェントの検証・勉強会に取り組んできたファイントゥデイ、ユーコット、中本・アンド・アソシエイツを含む4社。

セッションは「AIへの期待」「AI利用における現実」「AIの将来的な活用見通し」の3つの観点で進行し、実際に利用してみて見えた可能性と課題が共有されました。

照会・検索系においては自然言語での問い合わせに対してERP内の情報を返すなど高い効果が得られている一方、登録・更新系においては「ガバナンスや判断の属人化の整理」「人間による確認プロセスの設計」など、実業務へ適用する上での課題と運用の工夫が明かされました。
【ファイントゥデイ様】日常的な確認・登録作業を対象に、在庫トランザクションの照会と受注登録支援のAIエージェントをすでに本番稼働させています。現在は在庫調整支援エージェントの実装を進めており、部門や担当者が持つ暗黙知を言語化したうえで、人の承認・判断を組み込んだ業務プロセスを設計。11工程を4工程に減らし、翌営業日までかかっていた作業を当日中に完了できる見込みが示されました。入力の曖昧さを抑えるプロンプト設計や、条件の増加に伴う処理速度の低下・判断の抜けへの対応など、ユーザーの期待と実際の動作をすり合わせる工夫も紹介されました。
注目すべきは、こうした小さな実装を実際に現場へ見せたことで、サプライチェーン部門から20件以上の活用要望が寄せられた点です。まず小さく形にして見せることが、AI活用を社内に広げるきっかけになることを示す事例といえます。
【UCCグループ様】ERP導入後にも残る問い合わせ、手入力、判断の属人化に着目し、購買領域で発注状況の照会や購買オーダー作成を検証しました。その中で、自然言語による指示の揺れによって登録内容が変わってしまうことや、登録前の確認が不十分だと誤登録が後工程に影響しかねないことが、本番適用に向けた課題として率直に共有されました。対応として、AIに渡す情報や業務ルールを整理し、登録前に人が確認する仕組みを設ける重要性が示されました。

2. AI前提での業務プロセス再設計へ
入力の揺れや登録前の確認といった課題に向き合うなかで、「AIを使うことを前提に、業務そのものを設計し直す必要がある」という認識が自然と共有されていきました。
登壇者からは、単に「既存の作業をAIに置き換える」のではなく、「AIを活用することを前提とした業務プロセスの再設計(ガバナンスの整備やルール化)」が極めて重要であるという共通認識が示されました。作業そのものが本当に必要かという視点から見直すこと、業務部門とIT部門が初期段階から伴走して設計すること、そしてAIと人の役割を明確にすることが、その要点です。
AIを基盤として業務を効率化することで、現場のメンバーがより戦略的・付加価値の高い業務(新規ブランド開発や事業拡大など)へリソースをシフトできる未来が語られました。

3. 今後の展望と当グループの取り組み姿勢
両社は、照会業務の支援から段階的にAI活用を広げており、今後は登録・更新業務や自律的な処理への適用を進めていく方針です。ファイントゥデイ様は、複数のAIエージェントが業務プロセスをつなぐ「Agentic Applications」も視野に、事業拡大を支える共通基盤としてのAI活用を見据えています。UCCグループ様も、AIを前提に必要な作業と業務プロセスを見直し、担当者が別のミッションに取り組める姿を展望しました。

中本・アンド・アソシエイツの小西から、「技術的な進化スピードは非常に早いが、実際の業務に定着させるためには現場に寄り添った泥臭いガバナンス設計や課題解決が不可欠。今後もお客様とともに切磋琢磨しながら実務への定着を目指していきたい」とのメッセージを共有しました。

執行役員 小西 明宏
本レポートにて紹介しました講演内容について、ご不明点やさらに詳しい情報をご希望の際は、ぜひお問い合わせください。
丸紅I-DIGIOグループでは、ビジネス課題を解決する多様なソリューションを取り揃え、今後もお客様のご要望に合わせて最適なご提案を継続してまいります。