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デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)とは?4つの効果と選び方・導入5ステップを解説

DXの推進によってさまざまなシステムを導入したものの、「現場で十分に使われていない」「操作方法の問い合わせが減らない」といった課題を抱えている企業も多いのではないでしょうか。

こうしたシステムの活用・定着を支援するのが、デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)です。DAPを活用すれば、教育・研修コストや問い合わせの削減、システム定着率の向上などが期待できます。

近年では、従来の業務システムだけでなく、生成AIの活用を組織全体へ広げる手段としても注目されています。

本稿では、DAPの仕組みや4つの導入効果をはじめ、自社に合った製品の選び方、導入を成功させる5つのステップまでわかりやすく解説します。

導入したシステムの活用に、こんなお悩みはありませんか?

  • システムを導入したものの現場で使われず、投資効果が見えない
  • 操作方法の問い合わせや差し戻しが減らず、情報システム部門の負担が大きい
  • 研修やマニュアルの更新に工数がかかる一方、現場では読まれず形骸化している

上記のようなお困りごとがありましたら、デジタルアダプションプラットフォーム「WalkMe」をご検討ください。既存システムに手を加えず、操作画面の上にガイドを重ねて表示することで、利用者の「わからない」をその場で解消。入力の自動化や利用状況の分析にも対応し、研修やマニュアルに頼らないシステム定着を実現します。丸紅I-DIGIOは自社でもWalkMeを導入しており、「使う側」で得た知見を活かして導入から社内浸透まで一貫して支援します。

\画面上のガイドでシステムの定着を支援/

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デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)とは?

デジタルアダプションプラットフォーム(DAP:Digital Adoption Platform)とは、システムの利用者が迷わず操作できるよう、画面上でリアルタイムに支援するツールです。「デジタルアダプションツール」と呼ばれることもあります。

新しいシステムを導入しても、利用者が操作方法を理解できなければ、十分に活用されません。その点、DAPは操作中の画面にガイドやヒントを表示し、その場で「わからない」を解消することで、システムの活用・定着を支援するのが特徴です。

ここでは、DAPを理解するうえで押さえておきたい以下の3点を解説します。

  • デジタルアダプションが意味する状態
  • DAPが利用者の操作を支援する仕組み
  • マニュアル・研修・RPAとの役割の違い

デジタルアダプションとは|システムが意図どおり使われ、定着した状態

デジタルアダプションとは、導入したシステムが意図したとおりに活用され、組織に定着している状態を指します。

単にシステムを導入しただけでは、デジタルアダプションを実現したとはいえません。ITリテラシーの差にかかわらず、利用者が必要な機能を使いこなし、業務上の成果につなげられていることが重要です。

つまり、「デジタルアダプション=目指す状態」であり、DAPはその状態を実現するための手段と整理できるでしょう。

この考え方では、システム投資を「導入したかどうか」だけで評価しません。「実際に使われているか」「業務改善や生産性向上につながっているか」まで含めて評価することが求められます。

DAPの仕組み|既存システムの画面上にガイドを重ねる

DAPは、既存システムの画面上にガイドを重ねて表示し、利用者の操作をサポートする仕組みです。

たとえば、申請画面を開いた際に「ここに必要事項を入力してください」と吹き出しを表示したり、次に押すボタンを順番に案内したりできます。これにより、利用者は別途マニュアルを開かなくても、画面上の案内に沿って操作を進めることが可能です。

製品によっては、既存システムを大きく改修せずに導入できる点も特徴です。基幹システムやSaaS側で大規模な追加開発を行わず、操作支援を追加できる場合があります。

また、最近はノーコード・ローコードでガイドを作成できる製品も多く、現場の業務を理解している担当者が、自らガイドを作成・修正しやすい点もメリットです。

DAPとマニュアル・研修・RPAの違い

システムの定着を支援する方法には、DAP以外にもマニュアルや集合研修などがあります。また、業務効率化の手段としてRPAが比較されることもあります。

それぞれの違いは、以下のとおりです。

手段 主な役割 活用するタイミング 更新・運用の特徴
DAP 操作画面上で利用者を誘導・支援する 実際に業務を行っているとき 製品によってはノーコードで更新できる
マニュアル 操作手順やルールを文書で伝える 事前学習や操作方法を調べるとき 画面変更などに応じて改訂が必要
集合研修 知識や操作方法を一斉に伝える システム導入時や異動時など 開催ごとに準備・実施の工数がかかる
RPA 定型的な操作や処理を自動化する 人による操作を省略したいとき 設定や改修に専門知識が必要な場合がある

マニュアルや研修は、利用者に必要な知識や操作方法を事前に伝える手段です。一方、DAPは実際にシステムを操作している画面上で、その場に必要な情報を提示できます。

また、RPAは人が行っていた定型作業を自動化する仕組みであり、DAPとは目的が異なります。人がシステムを操作する場面を支援するならDAP、定型的な操作そのものを自動化するならRPAと整理するとわかりやすいでしょう。

業務によっては、DAPとRPAを使い分けたり、組み合わせたりすることで、システムの定着と業務効率化の両方を進められます。

デジタルアダプションプラットフォームが注目される背景

ここでは、DAPが求められるようになった背景を、以下の3つに分けて解説します。

  • DXの成果が業務効率化に偏っている
  • システムの増加によって従業員教育の負担が大きくなっている
  • 生成AIでも「導入」と「活用」のギャップが生じている

それぞれ詳しく見ていきましょう。

DXの成果が業務効率化に偏っている

DAPが注目される背景のひとつは、DXに取り組む企業が増えている一方で、その成果が業務効率化に偏っていることです。

IPA(情報処理推進機構)が2026年7月に公表した調査では、国内企業1,799社のうち、何らかの形でDXに取り組む企業は8割近くに達しています。また、約6割の企業がDXの成果が出ていると回答しました。

しかし、成果の内容を見ると、「業務の効率化による生産性の向上」などの割合が高い一方、「ビジネスモデルの根本的な変革」といった価値創出につながる項目は相対的に低い水準です。

DXで大きな成果を得るには、新しいシステムを導入するだけでなく、現場で使いこなしてもらう必要があります。操作方法がわからず一部の機能しか使われなければ、システム本来の効果を十分に引き出せません。

そのため、システムの「導入」だけでなく、その後の「活用・定着」まで支援する仕組みとしてDAPが注目されているのです。

プレス発表 国内企業のDX動向・AI活用動向のポイントを公表 | プレスリリース | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

IPA「国内企業のDX動向・AI活用動向のポイント」

システムの増加によって従業員教育の負担が大きくなっている

2つめの背景は、従業員が利用するシステムが増え、従来の研修やマニュアルだけでは教育の負担を吸収しにくくなっていることです。

現在は基幹システムだけでなく、経費精算や勤怠管理、SFAなど、業務ごとにさまざまなシステムが利用されています。利用するシステムが増えるほど、従業員が覚えなければならない操作も増えていきます。

さらに、従業員によってITリテラシーには差があります。集合研修を実施しても、一度の説明だけで全員が同じように使いこなせるとは限りません。異動や入社のたびに研修を実施すれば、教育する側の負担も大きくなります。

マニュアルも同様です。システムの仕様変更に合わせて更新する必要があるうえ、必要な情報を探す手間がかかり、十分に活用されないケースもあります。

こうした課題に対し、操作中の画面上で必要な情報を提示できるDAPであれば、利用者ごとの「わからない」をその場で補えます。システムが増えても教育負担を抑えながら定着を支援できることが、DAPへのニーズが高まっている理由のひとつです。

生成AIでも「導入」と「活用」のギャップが生じている

3つめの背景は、生成AIの導入が広がるなかでも、「導入したものの十分に使いこなせない」という課題が生じていることです。

前述したIPAの調査では、AI導入による効果として「業務が効率化したり迅速化した」と回答した割合は91.6%でした。一方、「売上や利益が向上した」は3.9%にとどまっています。

また、AI導入の効果について「期待以上」「期待どおり」と回答した企業の合計は31.8%でした。

さらに、個人の利用でも同様の傾向が見られます。パーソル総合研究所が2026年2月に公表した調査では、生成AIの業務利用人口は約1,840万人と推計されています。一方、生成AIの利用によって実際に業務時間を削減できた人は、利用者の約4人に1人でした。

この結果からも、生成AIを業務で利用していても、具体的な成果につなげられている人はまだ多数派ではないことがわかります。

だからこそ、生成AIの使い方を業務の流れの中で案内し、従業員が実際に活用できる状態をつくるDAPの仕組みが重要なのです。

IPA「国内企業のDX動向・AI活用動向のポイント」

パーソル総合研究所「生成AIとはたらき方に関する実態調査」

デジタルアダプションプラットフォームの3つの機能

DAPの機能は、大きく3つに整理できます。

機能 概要
ガイダンス 画面上の吹き出しやツアーで、迷わず確実な操作へ誘導する
オートメーション 入力・転記・画面遷移を自動化し、複数システムをまたぐ作業を短縮する
アナリティクス 利用状況を可視化し、どこでつまずいているかを把握する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ガイダンス|迷わせず、間違えさせない操作誘導

ガイダンスは、操作中の画面上で次に取るべき行動を示す機能です。たとえば、入力欄の横に注意点を表示する吹き出しや、手順に沿って操作を案内するツアーなどがあります。

単に操作方法を伝えるだけでなく、入力ミスや操作ミスを防げる点も特徴です。誤った入力が後続の承認や集計に影響するのを防ぎ、手戻りの削減にもつながります。

オートメーション|入力・転記・画面遷移を自動化する

オートメーションは、利用者が行う操作の一部を自動化する機能です。たとえば、登録済み情報の自動入力や別画面への転記、複数画面をまたぐ一連の操作などを自動化できます。

ガイダンスが「迷わせない」機能であるのに対し、オートメーションは「操作そのものを減らす」機能といえるでしょう。

アナリティクス|どこでつまずいているかを可視化する

アナリティクスは、システムの利用状況を可視化する機能です。どの画面で操作が止まったり離脱したりしているかを把握し、実際のデータをもとに改善すべきポイントを特定できます。

分析結果をガイダンスの追加や改善に活かすことで、利用者がつまずきにくい環境づくりにもつなげられます。

デジタルアダプションプラットフォーム導入で得られる4つの効果

DAPを導入することで得られる効果は、以下の4つです。

効果 概要
教育・研修コストの削減 研修やマニュアルへの依存を減らし、教育負担を軽減できる
問い合わせ・差し戻しの削減 自己解決を促し、問い合わせや手戻りを減らせる
システム定着率の向上 利用者のつまずきを減らし、システムの活用を促進できる
IT投資の可視化・最適化 利用実態を把握し、システムの改善や統廃合の判断に活かせる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

教育・研修にかかる負担を減らせる

DAPでは、実際の操作画面上で手順や注意点を案内できます。そのため、集合研修やマニュアルだけに頼らず、利用者が必要なタイミングで操作方法を確認できる環境をつくれます。

新入社員や異動者への教育を繰り返す必要がある企業や、拠点・部門が多い企業では、特に教育負担の軽減につながりやすいでしょう。

問い合わせや差し戻しを削減できる

利用者が操作中の疑問をその場で解決できれば、情報システム部門やヘルプデスクへの問い合わせを減らせます。

また、入力項目の近くに注意事項やルールを表示すれば、入力ミスの防止にもつながります。申請内容の不備が減ることで、承認者による差し戻しや修正など、後続工程の手戻りも削減できます。

システムの定着率を高められる

DAPは、導入したシステムを現場で使いこなしてもらうためにも有効です。

操作が複雑だったり、利用頻度が低かったりするシステムは、使い方がわからないことを理由に利用されなくなるケースがあります。DAPで必要な操作をその場で案内すれば、こうしたつまずきを減らし、継続的な利用を促せます。

システムが十分に活用されなければ、期待していた業務効率化や生産性向上にもつながりません。「導入した状態」から「使われる状態」へ移行できることが、DAPの大きな効果です。

IT投資の可視化・最適化につなげられる

DAPのアナリティクス機能を活用すれば、システムや機能ごとの利用状況を可視化できます。

たとえば、ほとんど利用されていない機能や、利用者が途中で離脱している操作などを把握できます。こうしたデータをもとに、ガイダンスの改善やシステム自体の見直しにつなげることが可能です。

さらに、利用実態を継続的に把握すれば、システムの統廃合や追加投資を検討する際の判断材料にもなります。IT投資を「導入したか」ではなく「実際に活用されているか」で評価できる点もメリットです。

デジタルアダプションプラットフォームの効果が出やすいシステム・業務

DAPは、すべてのシステムで同じように効果が得られるわけではありません。特に、操作が複雑なシステムや利用者が多いシステム、入力ミスが後続業務に影響しやすい業務で効果を発揮しやすい傾向があります。

代表的なシステム・業務は、以下のとおりです。

  • ERP・基幹システム:操作が複雑になりやすく、入力ミスが会計や在庫など後続プロセスにも影響するため、操作支援による効果が期待できます。
  • 経費精算・ワークフロー:利用者が全社に広がる一方、一人あたりの利用頻度が低い場合もあり、操作方法を忘れて問い合わせが発生しやすい領域です。
  • SFA・CRM:必要な情報が入力されなければ、営業管理や分析に十分活用できません。入力の負担を減らし、必要な項目を正しく入力してもらうことが重要です。

丸紅I-DIGIOグループでは、自社の経費精算システムであるSAP ConcurにWalkMeを導入し、自社でDAPを設計・運用するだけでなく、日々システムを利用するユーザーとしての経験も蓄積しています。

そのため、実際の利用者がどこで迷いやすいのかを踏まえた、現場目線でのシナリオ設計・導入支援が可能です。

AI活用の定着にもデジタルアダプションプラットフォームが使われはじめている

DAPは、従来のシステムだけでなく、生成AIを社内に定着させるための手段としても活用されはじめています。

生成AIは、ツールを導入して全社に提供するだけで、誰もが同じように使いこなせるわけではありません。「どの業務で使うのか」「どのように指示を出すのか」がわからなければ、一部の従業員にしか活用が広がらない可能性があります。

これは、業務システムで起きてきた「導入したものの、現場で十分に使われない」という課題と同じ構造です。そのため、生成AIでも導入そのものではなく、日常業務の中で継続的に使われる状態をつくることが重要になります。

そこで役立つのがDAPです。DAPを活用すれば、普段の業務フローの中にAIによる支援を組み込み、必要なタイミングで利用できる環境を整えられます。

利用者が毎回「ここではAIを使おう」と判断して別のツールを開く必要がなくなるため、AIに詳しい一部の従業員だけでなく、組織全体に活用を広げやすくなります。

このように、生成AIを「導入した状態」から「現場で使われる状態」へ移行させる手段としても、DAPの活用が期待されています。

WalkMeなら業務の流れの中にAIを組み込める

DAPを活用すれば、AIを「別のアプリを開いて使うツール」ではなく、普段の業務の流れの中で利用できる機能として提供できます。

たとえば、WalkMeでは、AIを業務に組み込む方法として、主に次の3つの体験を提供しています。

  • Pinned AI:特定の画面やワークフローにAIを組み込み、必要な場所・タイミングで利用できるようにする
  • Proactive AI:画面や操作の文脈をもとに、必要なアクションをAIが先回りして提示する
  • On-Demand AI:必要なときに呼び出して利用できる対話型のAIアシスタントを提供する

ポイントは、利用者自身が毎回「この業務ではAIを使おう」と判断し、別のツールを開く必要がないことです。

必要な場面でAIが自然に提示される環境をつくることで、AIに詳しくない従業員にも活用を広げやすくなります。

承認済みのAIを使いやすくすることでシャドーAI対策にもつながる

DAPによって承認済みのAIを業務の中で使いやすくすることは、シャドーAIへの対策にもつながります。

シャドーAIとは、企業が把握・管理していないAIツールを従業員が業務に利用することです。「業務を早く終わらせたい」「使い慣れたAIを使いたい」といった理由から発生することも少なくありません。

その点、DAPによって承認済みのAIを普段の業務フローに組み込み、必要なときにすぐ利用できる環境を整えれば、従業員を正規のAI環境へ自然に誘導できます。

デジタルアダプションプラットフォームのタイプと選び方

DAPは、製品によって対象とする利用者や得意とする機能が異なります。大きく分けると、「社内システム定着型」「顧客オンボーディング型」「統合型」の3タイプがあります。

まずは自社の導入目的に合うタイプを絞り、そのうえで対応システムや機能、費用などを比較すると選びやすくなります。

まずは自社の目的に合うタイプを選ぶ

DAPの主なタイプと、それぞれに向いているケースは以下のとおりです。

タイプ 特徴 向いているケース
社内システム定着型 従業員が利用するシステムの操作・定着を支援する ERPや経費精算、SFAなどを社内に定着させたい
顧客オンボーディング型 自社サービスの画面上で顧客の操作を支援する SaaSなどの初期設定や機能利用を促したい
統合型 ガイドに加え、自動化・分析・AI活用など幅広い機能を備える 複数システムを横断して全社的なデジタル活用を進めたい

たとえば、ERPや経費精算システムの問い合わせを減らしたい場合は、社内システム定着型が候補になります。一方、自社で提供するSaaSの利用方法を顧客に案内したい場合は、顧客オンボーディング型が適しています。

複数の業務システムを対象に、操作支援だけでなく自動化や利用状況の分析、AI活用まで進めたい場合は、統合型が候補です。

ただし、同じタイプでも対応できるシステムや機能の範囲は製品によって異なります。まず導入目的からタイプを絞り、その後に個別の機能を比較すると、自社に合ったDAPを選びやすくなります。

候補となる製品は7つの評価軸で比較する

自社に合うタイプを絞り込んだら、具体的な製品を比較します。特に確認したいのは、以下の7点です。

評価軸 確認するポイント
対応システムの範囲 自社の基幹システムやSaaS、利用環境に対応しているか
ノーコードでの運用性 情報システム部門以外でもガイドを作成・修正できるか
自動化の範囲 必要な操作や複数システムをまたぐ処理まで自動化できるか
分析・効果測定 利用状況やつまずきを、改善につながる粒度で把握できるか
AI活用への対応 業務の流れの中でAIを活用できる機能があるか
セキュリティと権限管理 表示対象の制御や、必要なログの取得ができるか
導入・運用の支援体制 シナリオ設計や導入後の改善まで支援してもらえるか

特に見落としやすいのが、システム更新への追随性と導入後の運用体制です。対象システムの画面が変更された際に、ガイドの修正にどの程度の工数がかかるかも確認しておきましょう。

また、DAPは導入して終わりではありません。利用状況を分析しながらガイドを改善できる体制があるか、ベンダーからどこまで支援を受けられるかも重要です。

費用だけでなく費用対効果まで比較する

DAPの費用は、初期費用と月額利用料で構成されるのが一般的です。料金は対象システム数やユーザー数などによって異なるため、導入費用の安さだけでなく、削減できるコストまで含めて比較することが重要です。

費用対効果を検討する際は、たとえば以下のコストを洗い出します。

  • 集合研修の開催費用や参加者の拘束時間
  • マニュアルの作成・更新にかかる工数
  • 問い合わせ対応にかかる工数
  • 入力ミスによる差し戻し・修正対応の工数

これらの削減効果を金額に換算して導入・運用費用と比較すれば、投資回収の見込みを判断しやすくなります。

デジタルアダプションプラットフォーム導入の5ステップ

DAPの導入は、ツールを契約すれば完了するものではありません。実務では、次の5つのステップで進めると整理しやすくなります。

それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。

ステップ1・2|つまずきを可視化し、対象業務とKPIを決める

まずは、どの業務のどこで利用者がつまずいているのかを把握し、DAPを導入する対象を決めます。

問い合わせ履歴や差し戻しの発生箇所、システムの利用ログなどを確認し、操作に時間がかかっている業務やミスが発生しやすい箇所を洗い出しましょう。

対象業務が決まったら、導入効果を測るためのKPIを設定します。たとえば、問い合わせ件数や差し戻し率、操作完了率などが指標になります。

最初から全社展開する必要はありません。課題が明確で効果を測定しやすい業務からスモールスタートし、成果を確認してから対象を広げると進めやすくなります。

ステップ3|現場目線でガイド・自動化のシナリオを設計する

対象業務が決まったら、どの画面でどのようなガイドを表示するか、どの操作を自動化するかを設計します。

ポイントは、実際にシステムを利用する従業員の目線で設計することです。「初めてその画面を開いた人でも、迷わず操作を完了できるか」を基準に考えるとよいでしょう。

ただし、すべての項目にガイドを表示すればよいわけではありません。情報を詰め込みすぎると画面が煩雑になり、かえって操作を妨げる可能性があります。

入力を間違えたときの影響が大きい箇所や、問い合わせ・操作ミスが多い箇所など、支援するポイントに優先順位をつけることが重要です。

ステップ4・5|展開・浸透させ、効果測定と改善を続ける

シナリオが完成したら、対象部門や業務から段階的にDAPを展開します。導入時には、新しいガイドが表示されることや、その目的を利用者へ周知しておきましょう。

展開後は、事前に設定したKPIや利用状況を確認し、効果を検証します。想定した効果が出ていない場合は、ガイドの表示位置や文言、表示するタイミングなどを見直します。

DAPは「導入して終わり」ではなく、利用状況を確認しながら改善を続けることが重要です。 誰が効果を測定し、誰がガイドを更新するのかまで決めておくと、継続的に運用しやすくなるでしょう。

導入でつまずく3つのパターン

DAPを導入しても十分な効果を得られない場合には、いくつか共通する原因があります。特に注意したいのは、以下の3つです。

  • ガイドを表示しすぎる:情報量が多すぎると画面が煩雑になり、必要なガイドまで読まれなくなる
  • 運用担当者が決まっていない:ガイドが更新されず、システムの変更や実際の業務と合わなくなる
  • 監視ツールだと誤解される:利用状況の可視化が「従業員を監視するため」と受け取られ、現場の反発につながる

利用状況を分析する場合は、目的が従業員個人の評価ではなく、システムの使いにくさや業務上の課題を把握することにあると事前に説明しておくことが大切です。

導入目的やデータの利用範囲を明確にしたうえで現場と共有しておけば、不要な不安や反発を抑えながら展開しやすくなります。

デジタルアダプションプラットフォームに関するよくある質問

最後に、DAPの検討時によく挙がる質問に回答します。

DAPの費用相場はどれくらいですか

初期費用と月額利用料で構成されるのが一般的です。対象システム数やユーザー数で金額が大きく変わるため、削減できる研修費や問い合わせ工数から試算する進め方が有効です。

DAPの市場規模はどうなっていますか

Fortune Business Insightsによると、世界市場は2025年に約12億4,000万ドルでした。2034年には約43億7,000万ドルへ成長すると予測されています。

国内市場についても、アイ・ティ・アール(ITR)が調査を実施しています。

ノーコードで運用できますか。専任の担当者は必要ですか

多くの製品はノーコードで作成できるため、プログラミングの知識は必須ではありません。ただし専任である必要はないものの、ガイドを継続的に改善する担当者は必要です。

デジタルアダプションとDAPは何が違いますか

デジタルアダプションは、システムが意図どおりに使われ定着した状態を指す考え方です。DAPは、その状態を実現するためのツールを指します。

丸紅I-DIGIOのWalkMe導入支援|「使う側」の知見を活かした定着設計

丸紅I-DIGIOグループでは、代表的なDAPであるWalkMeを取り扱い、導入前の課題整理からシナリオ設計、運用・改善、社内浸透まで一貫して支援しています。

丸紅I-DIGIOグループ自身もWalkMeを導入しているため、提供する側だけでなく、実際に「使う側」として得た知見を活かせる点が特徴です。

主な支援内容は、以下のとおりです。

  • 導入コンサルティング:現状の課題を整理し、対象業務やKPI、導入範囲などを設計します。
  • シナリオ設計:利用者がつまずきやすいポイントを踏まえ、ガイドや自動化、AI活用のシナリオを設計します。
  • 運用・保守:導入後の効果を検証しながら改善を続け、対象システムの更新にも対応します。
  • 社内浸透支援:WalkMeを現場で継続的に活用できるよう、教育や定着施策まで支援します。

「WalkMeが自社の課題に合っているかわからない」「どの業務から導入すべきか相談したい」という段階でも、ぜひ丸紅I-DIGIOグループへご相談ください。自社での導入・運用経験を活かし、WalkMeの導入から定着まで支援します。

まとめ|「導入」から「定着」へ、DAPでIT投資を成果に変える

デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)は、システムの操作画面上でガイドを表示したり、一部の操作を自動化したりすることで、利用者の「わからない」をその場で解消し、システムの活用・定着を支援するツールです。

DAPを活用すれば、教育・研修や問い合わせ対応の負担を減らせるほか、システムの定着率向上やIT投資の最適化にもつなげられます。近年では、従来の業務システムだけでなく、生成AIを組織全体へ定着させる手段としても活用が広がっています。

丸紅I-DIGIOグループでは、自社での活用経験を活かし、WalkMeの導入前の課題整理からシナリオ設計、運用・改善、社内浸透まで一貫して支援しています。

「導入したシステムが十分に活用されていない」「生成AIの活用を一部の従業員だけでなく全社へ広げたい」とお考えの企業は、ぜひ丸紅I-DIGIOグループへご相談ください。

※ 「WalkMe」は WalkMe Inc.(An SAP company)の製品・登録商標です。
※ 本稿に記載の調査結果および数値は、2026年9月時点の公表情報に基づきます。

導入したシステムの活用に、こんなお悩みはありませんか?

  • システムを導入したものの現場で使われず、投資効果が見えない
  • 操作方法の問い合わせや差し戻しが減らず、情報システム部門の負担が大きい
  • 研修やマニュアルの更新に工数がかかる一方、現場では読まれず形骸化している

上記のようなお困りごとがありましたら、デジタルアダプションプラットフォーム「WalkMe」をご検討ください。既存システムに手を加えず、操作画面の上にガイドを重ねて表示することで、利用者の「わからない」をその場で解消。入力の自動化や利用状況の分析にも対応し、研修やマニュアルに頼らないシステム定着を実現します。丸紅I-DIGIOは自社でもWalkMeを導入しており、「使う側」で得た知見を活かして導入から社内浸透まで一貫して支援します。

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