国立社会保障・人口問題研究所の推計では、生産年齢人口は2020年の約7,509万人から、2070年には約4,535万人まで減少する見込みだ。働く人の数が減っていくなか、企業にはこれまで以上に一人ひとりの生産性を高めることが求められている。
そこで重要になるのが、社内に蓄積されてきたナレッジの活用だ。過去の提案書や設計書、報告書、社内規定、マニュアルなどは、新たな資料作成や調査の手間を減らし、業務を効率化するための貴重な資産になり得る。
しかし実際には、「必要な情報がどこにあるのか分からない」という企業も少なくない。情報は蓄積されていても、必要なときに探し出せなければ十分に活用することはできないだろう。
こうした課題の解決策として生成AIへの期待が高まる一方、社内情報の活用では、生成AIと従来のキーワード検索それぞれの特徴を理解し、目的に応じて使い分けることも重要になる。
本稿では、社内ナレッジの活用を阻む「情報のサイロ化」の実態や、生成AIとキーワード検索の違い、必要な情報を探し出せる環境づくりについて、エンタープライズサーチ「Neuron ES」の開発元であるブレインズテクノロジー株式会社 製品開発部 Neuron ES事業開発室 江川 優一 氏と、同製品を取り扱う丸紅I-DIGIOグループ デジタルソリューションセグメント デジタルプラットフォーム事業本部 エンタープライズソリューション営業部 勝原 夏樹に話を聞いた。
社内の情報検索に、こんなお悩みはありませんか?
- 必要な資料がどのフォルダ・どのシステムにあるのか分からず、探すだけで時間がかかる
- ファイルサーバや社内ポータル、クラウドストレージなど保存先がバラバラで、横断して検索できない
- 過去の議事録・設計書・マニュアルなどのナレッジが埋もれており、うまく再利用できていない
上記のようなお困りごとがありましたら、企業内検索システム「Neuron ES」をご検討ください。オンプレからクラウドまで、社内のファイルサーバやポータル、DB、クラウドストレージを一括全文検索でき、欲しい情報に素早くアクセスできます。さらに、既存の社内資料を基盤とした生成AI連携(RAG)オプションにより、「聞きたいことを自然文で聞くだけ」で最適な情報にたどり着けます。
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Neuron ESの資料ダウンロードはこちら労働人口の減少が、社内ナレッジ活用を「必然」にする
――近年、企業が蓄積してきた社内ナレッジを活かすことの重要性が高まっているといわれます。その背景をお教えください。
勝原 大きな背景にあるのは、労働人口の減少です。働く人の数が減っていく一方で、企業の売上や目標まで下げてよいわけではありません。限られた人数で成果を上げていくためには、一人ひとりの生産性を高める必要があります。
もう一つ重要なのが、ベテラン層の引退です。今は分からないことがあっても、「この人に聞けば分かる」という社員がいるかもしれません。しかし10年後、20年後には、その人が退職し、過去の取り組みについて「なぜこうしたのか」「どうやって実現したのか」を説明できる人がいなくなる可能性があります。
江川氏 そこで重要になるのが、これまで社内に蓄積してきた情報を、必要なときに活用できる状態にしておくことです。実際、お客様とお話ししていても、「何の情報がどこにあるのか分からない」という声は非常に多く聞かれます。
過去の取り組みや資料から学び、それを次の仕事に活かせる環境を今のうちに整えておく。そうすることで、同じ調査や資料作成を繰り返す無駄を減らし、一人ひとりの生産性向上につなげられると考えています。
――「人に聞く」という行為そのものは、なくしていくべきなのでしょうか。
勝原 人に聞くこと自体をなくす必要はないと考えています。会話をきっかけに新しいアイデアが生まれたり、別の視点に気づいたりすることもあるからです。
一方で、調べれば分かることまで、その都度誰かに聞く必要はありません。自分で調べられることは自分で調べ、本当に相談が必要なことは人に聞く。0か100かではなく、うまく使い分けることが大切だと考えています。
また、働く場所が多様化した今は、分からないことがあっても、隣にいる人へすぐに聞けるとは限りません。そのため、必要な情報を自分で探し出し、業務を進められる環境を整えておくことは、これからますます重要になると思います。

組織課題から見る「情報のサイロ化」
――企業の課題として「情報のサイロ化」という言葉がよく使われます。具体的にはどのような状態を指すのでしょうか。
江川氏 ひとことで言えば、情報が組織のなかで分散し、それぞれが分断されている状態です。たとえば、事業部や拠点ごとに情報が閉じていて、同じ会社で働いているのに「隣の部署が何をしているのか」「どのような情報を持っているのか」が分からない。これが情報のサイロ化です。
背景には、組織的な要因と技術的な要因の両方があると考えています。
組織面では、会社の規模にかかわらず、部門が違えばお互いの業務や情報は見えにくくなります。弊社も70名程度の組織ですが、それでも別の部門が何をしているのか分からないことがあります。数千人、数万人規模の企業であれば、なおさらでしょう。
それぞれが自分の業務に集中するほど、他部署がどのような情報を持っているのかを知る機会も少なくなります。実際、お客様にこの話をすると、多くの方から「自社にも当てはまる」と共感いただきます。
勝原 技術面では、情報の保管先が増えていることも大きな要因です。特に歴史のある企業では、オンプレミスのファイルサーバに長年蓄積してきた大量のデータがあります。そこへ働き方の変化に伴ってBoxやSharePoint Onlineなどのクラウドサービスが加わり、情報の保管先がさらに増えました。
既存の膨大なデータをすべてクラウドへ移行するのは現実的ではないため、オンプレミスとクラウドの両方に情報が残ります。その結果、「どの情報がどこにあるのか分からない」という状態が生まれ、情報のサイロ化がさらに進んでしまうのです。
――サイロ化は、企業にどのような影響を及ぼしますか。
勝原 事業部や部署を分けること自体は、業務を効率よく進めるために必要なことです。そのため、サイロ化が直接的に生産性を下げるというよりも、新しいアイデアや施策が生まれにくくなることのほうが大きな問題だと考えています。
たとえば、他部署の取り組みを知っていれば、「同じようなことをやっているなら、一緒にできるのではないか」「このノウハウは自分たちの業務にも活かせるのではないか」といった発想が生まれます。
しかし、情報がそれぞれの部署に閉じていると、そもそも他部署が何をしているのかを知る機会がありません。その結果、社内に活用できる情報やノウハウがあるにもかかわらず、それらを組み合わせた新しいアイデアや施策につながらない。そこが、情報のサイロ化による大きな損失だと思います。
「探せない」が生む損失──属人化・分散・検索しても届かない
――社内ナレッジの活用が進まない要因として、属人化、ツールの分散、検索しても答えにたどり着けないという課題が挙げられます。現場ではどのような支障が起きているのでしょうか。
勝原 まず大きいのは、「情報はあるのに見つけられない」という問題です。先ほどもお話した通り、大きな企業では、オンプレミスのファイルサーバに膨大な数のファイルが蓄積されています。そして、従来のファイルサーバでは、エクスプローラーで知りたいことを検索しても結果が出るまで10分、15分とかかることがあります。しかも、ファイル名だけでは中身を判断できないため、「これかな」と思うファイルを一つずつ開いて確認しなければなりません。数千万、数億というファイルがある環境では、必要な情報を探し出すだけでも大きな負担になります。
さらに現在は、BoxやSharePoint Onlineなどにも情報が分散しています。そうなると、「そもそも、どこを探せばよいのか」というところから始めなければなりません。
そこで、詳しそうな人に聞くことになります。しかし、その人も分からなければ、せっかく過去の資料が残っていても見つけられず、結局は資料を一から作ったり、同じ調査をやり直したりすることになります。
江川氏 たとえば、過去に誰かが30ページの提案書を作っていたとします。別の担当者が数か月後に似た提案書を作ることになったとき、その資料を見つけられなければ、一から30ページを作ることになります。
一方、過去の提案書をすぐに見つけられ、そのうち25ページを活用できれば、新たに作るのは5ページだけで済みます。こうした小さな時間の差が、組織全体では大きな差になるでしょう。

――定量的にはどの程度のインパクトがあるのでしょうか。
江川氏 たとえば、1回の検索で15分近く短縮できるとして、1日に2〜3回検索する。それが100人、200人の組織で起きると考えれば、企業単位のインパクトは想像していただけると思います。
公開されている導入事例では、株式会社デンソー様で従業員一人あたり月10時間以上の情報収集時間を削減した例や、神戸市役所様で資料検索にかかる時間を86.8%削減した例があります。
生成AIとキーワード検索は、役割が違う
――社内情報の検索性向上を検討する際、まず生成AIを思い浮かべる企業も多いと思います。両者はどう違うのでしょうか。
江川氏 大きな違いは、得られるアウトプットです。
生成AIは、質問に対して情報を整理し、文章として回答を作ってくれます。一方、Neuron ESのようなキーワード検索(エンタープライズサーチ)は、検索条件に合った文書やファイルそのものを提示します。つまり、「答えを作ってもらう」のか、「必要な情報の原典を探す」のかという違いです。実務では、エンタープライズサーチの「自分で情報を探して選べる」という点が重要になることがあります。
たとえば、社内に似たような資料が20件あったとします。この場合、生成AIを使って知りたいことを調べると、AIがその一部を参照して回答を作り、その内容に問題がなければ、利用者はそこで調査を終えるかもしれません。しかし、ほかの資料により重要な情報が含まれている可能性もあります。
勝原 その点は、実際にご提案の場でもよく話題になります。一方、エンタープライズサーチでは、検索条件に合った資料を一覧で確認し、そのなかから必要なものを自分で選べます。そのため、「関連する資料をできるだけ漏らさず確認したい」「最終的な判断は自分でしたい」といった場面に向いています。
また、サムネイルやプレビューを見ながら、「探していたのはこの資料だ」と特定できるのも、過去の資料を探す際には大きなメリットです。過去に見た資料や、存在は覚えているものの保存場所が分からない資料を探すときにも役立ちます。
――使い分けの目安を教えてください。
勝原 ゼロベースで「こんな情報はないか」「これについて教えてほしい」と調べるのであれば、生成AIが向いています。質問の意図をくみ取り、表記の揺らぎなどもある程度吸収しながら回答を作ってくれるからです。
一方、「以前、こんな資料を見たはずだ」「あの報告書をもう一度確認したい」など、探したい情報にある程度の当たりがついている場合は、キーワード検索が向いています。該当する資料を一覧で確認しながら、目的の情報を探し出せるからです。
生成AIとキーワード検索は、どちらか一方を選ぶものではありません。生成AIが普及し始めた当初は、私たちも「検索は生成AIに置き換わるのではないか」と考えていました。しかし実際には、お客様からも用途に応じて両方を使い分けたいという声を多くいただいています。
たとえば、社外向けの資料を作成する場合、まずNeuron ESで関連する過去資料や社内情報を探し出し、それらを生成AIに読み込ませて要約や文章作成をしてもらう、といった使い方ができます。
生成AIを活用するにしても、その前段には「AIにどの情報を参照させるのか」という課題があります。そこで、Neuron ESのようなエンタープライズサーチエンジンによって必要な社内情報を探し出せる環境を整え、その情報を生成AIで整理・活用する。両者を組み合わせることで、それぞれの強みを活かせると考えています。
実はNeuron ESはキーワード検索としてサービス開始していますが、今は生成AIと連携ができるのでキーワード検索も生成AIでの利用も両方利用できます。
解決策は、オンプレからクラウドまでの横断検索
――エンタープライズサーチ「Neuron ES」の概要と特徴をお教えください。
勝原 Neuron ESは、社内のさまざまな場所に分散している情報を、横断的に全文検索できるエンタープライズサーチエンジンです。オンプレミスのファイルサーバや社内ポータル、社内データベースに加えて、SharePoint OnlineやBox、Dropbox、Googleドライブなどのクラウド上にある情報も、1つの画面からまとめて検索できます。
特徴は、ファイル名だけでなく、文書の中身まで検索できることです。たとえば、社内規定やマニュアル、技術文書、過去のトラブル事例など、保存場所やファイル名を覚えていない資料でも、内容に含まれるキーワードから探し出せます。
江川氏 製品面で補足すると、ファイルやフォルダにはアクセス権のコントロールがされていることが一般的ですが、権限に基づいて検索結果を返す仕様になっています。そして数億文書・数十TB規模のデータにも対応しているので、長年にわたって大量の情報を蓄積してきた企業でも安心してご活用いただけます。
――豊富な絞り込み機能は、目的の情報にたどり着く上でどう役立つのでしょうか。
勝原 Neuron ESでは、検索してから目的の資料を見つけるまでを、シンプルな操作で進められます。具体的には、次のような流れです。
- キーワードを入力する
ファイルサーバやBox、SharePoint Online、Dropboxなど、複数の保存先を横断して検索します。 - 検索結果を絞り込む
更新日や更新者、ファイル種別、データの取得元などを指定し、必要な情報に絞り込みます。 - サムネイルやプレビューで確認する
ファイルを一つひとつ開かなくても、中身を確認しながら目的の資料を探せます。
複数の保存先を対象にしても検索結果は数秒で表示されます。これまで必要な資料を探すのに20分、30分とかかっていたものが、1分程度で見つけられるようになれば、日々の業務でも大きな時間短縮につながるでしょう。
江川氏 私たちが特にこだわっているのが、画面のシンプルさです。検索を使うのはITに詳しい方だけではありません。そのため、GoogleやYahooで検索するような感覚で、誰でも迷わず使える操作性を目指しています。
特別な知識を必要とせず、導入後すぐに使い始められる点も、お客様から評価いただいているポイントです。
――生成AIとキーワード検索のハイブリッド利用とは、具体的にどのようなものですか。
江川氏 Neuron ESには生成AIとの連携オプションがあり、生成AIによる対話形式の情報探索と、従来のキーワード検索を組み合わせて利用できます。
一般的な生成AIチャットで社内資料を参照させる場合、必要なファイルを探してアップロードする必要があります。一方、Neuron ESでは、検索エンジンが連携しているファイルサーバやクラウドストレージから必要な情報を取得します。そのため、利用者がその都度ファイルを探してアップロードする必要がありません。
また、既存のファイルに設定されているアクセス権限を踏襲できるため、利用者が閲覧権限を持つ情報の範囲内で活用できます。「まず生成AIとの対話で情報を探し、必要に応じてキーワード検索で原典を確認する」といった使い分けも可能です。
さらに、2026年5月にはMCPサーバーへの対応を発表しました。これにより、Microsoft 365 CopilotからNeuron ESを介して、オンプレミスやクラウドに分散している社内情報を検索できるようになっています。
今後は、検索対象となるストレージやアプリケーションをさらに広げるとともに、テキストだけでなく音声や画像なども含め、さまざまな社内データを活用できる環境を目指していきます。
まずは「検索は変えられる」ことを知ってほしい
――最後に、社内ナレッジの活用に課題を感じている読者へメッセージをお願いします。
江川氏 エンタープライズサーチは、まだご存じない方が多い領域です。初めて触れたお客様からは「検索って変えられるんですね」という反応をよくいただきます。ファイルサーバは検索できない、海外製のクラウドは日本語の精度が今ひとつ。それが当たり前になっているため、課題として認識されていないのです。まずは変えられるという事実を知っていただきたい。そこが出発点です。
勝原 また、実際に導入を検討する際は、機能面だけでなく「どのように費用対効果を示し、社内の決裁を取るか」というご相談も多くいただきます。そこで私たちは、製品を提供するだけではなく、評価時のアンケートテンプレート提供や同業他社の活用事例の提示など、稟議資料づくりまで伴走しています。
江川氏 検索の課題やナレッジ活用の進め方は企業ごとに異なります。だからこそ無償トライアルでお試しいただきたいです。
Neuron ESの評価版は通常1カ月間、機能制限なしでご利用いただけます。単にデモ環境で画面を触っていただくのではなく、実際のお客様の環境に構築し、自社のデータを使って「本当に必要な情報を探し出せるのか」を確認していただけます。評価用サーバーの貸し出しやインストール作業、評価期間中のQAサポートもご用意しています。
勝原 検索対象とするデータの選定やシステム担当者様のご協力は必要になりますが、2〜3TB程度であれば、おおむね1週間で検索できる環境を構築できます。まずは実際に使っていただき、日々の情報検索がどこまで変わるのかを体感していただければと思います。

社内ナレッジは、ただ蓄積するだけでは十分に活かせない。必要なときに探し出し、内容を確認できてこそ、次の仕事に活かせる資産になる。
丸紅I-DIGIOグループではNeuron ESのご提案から評価トライアル、導入後の社内定着までを一貫して支援している。
「必要な資料がなかなか見つからない」「どこに情報があるのか分からない」といった課題に心当たりがあるなら、まずは自社の検索環境を見直すことから始めてみてはいかがだろうか。
社内の情報検索に、こんなお悩みはありませんか?
- 必要な資料がどのフォルダ・どのシステムにあるのか分からず、探すだけで時間がかかる
- ファイルサーバや社内ポータル、クラウドストレージなど保存先がバラバラで、横断して検索できない
- 過去の議事録・設計書・マニュアルなどのナレッジが埋もれており、うまく再利用できていない
上記のようなお困りごとがありましたら、企業内検索システム「Neuron ES」をご検討ください。オンプレからクラウドまで、社内のファイルサーバやポータル、DB、クラウドストレージを一括全文検索でき、欲しい情報に素早くアクセスできます。さらに、既存の社内資料を基盤とした生成AI連携(RAG)オプションにより、「聞きたいことを自然文で聞くだけ」で最適な情報にたどり着けます。
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