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コンタクトセンターのインバウンドとは?課題と改善策を紹介!

コンタクトセンターのインバウンドとは、顧客からの問い合わせや注文、クレームなどを受け付ける受電業務の総称です。運営の現場では、その定義だけでなく、応答率の低下や応対品質のばらつきを防ぐための運用設計が重要になります。

本稿では、業務範囲や課題が生じる背景、CTIやIVRなどのシステムの使い分け、自社運用と委託の判断軸、委託費用の相場までを解説します。

この記事の要約
・インバウンドは、顧客からの受電対応全般を指し、一次受付から受注、クレーム対応までを含みます。
・調査対象企業の応答率は3年連続で低下しており、2025年の平均は87.8%です。
・応対品質のばらつきや離職を抑えるには、教育体制の整備や後処理の負担軽減が重要です。
・CTIとCRMによる情報の集約、IVRによる入電の振り分け、音声認識AIによる後処理時間の短縮が改善に役立ちます。
・委託は繁閑差の大きい窓口や夜間・休日の対応に適しており、費用は月額固定型と従量課金型で異なります。

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  • 対応者によって回答品質にばらつきがあり、エスカレーションが増えている
  • FAQやナレッジが更新されず、AIやチャットボットに活かしきれていない
  • ナレッジ作成・更新が属人化しており、現場の負担が大きい

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INDEX

コンタクトセンターのインバウンドとは

インバウンドは、顧客から企業に寄せられる電話やメールなどに対応する業務です。対応範囲が広く、入電量を自社で制御できないという性質を踏まえて、運用を設計する必要があります。

観点 要点
対応範囲 顧客からの用件を受け、一次解決まで担う
業務の幅 問い合わせ受付から受注、クレーム対応まで含む
アウトバウンドとの違い 発信者が顧客側で、入電量を自社で選べない

顧客からの受電対応全般を指す

インバウンドは、顧客を起点として企業に寄せられる連絡に対応する業務の総称です。電話が中心ですが、メールやチャットへの対応を同じ窓口で扱うセンターもあります。

窓口に寄せられる用件は、商品の使い方に関する質問からトラブルの報告まで多岐にわたります。オペレーターは、その場で解決できるか、担当部門への引き継ぎが必要かを通話中に判断します。

問い合わせから受注まで幅広く担う

インバウンドの対応範囲は、問い合わせへの回答にとどまらず、注文や申し込みの受け付けにも及びます。通販やサブスクリプション型サービスでは、受注が売上に直結するため、電話がつながらなかったことが機会損失につながります。

同じ窓口で解約や契約変更も受け付ける場合があり、用件によって対応の難度が異なる点も特徴です。

アウトバウンドとは発信者が逆になる

アウトバウンドは、企業から顧客へ電話をかける業務です。顧客から連絡を受けるインバウンドとは、発信者が異なります。

企業が発信するアウトバウンドでは、架電件数や時間帯を自社で調整できます。一方、インバウンドでは、入電が集中するタイミングを企業側で選べません。この違いが、要員配置の難しさや応答率の変動につながります。

コンタクトセンターの主なインバウンド業務

インバウンド業務は、大きく一次受付、受注対応、クレーム対応の3つに分かれます。それぞれに求められるスキルや管理すべき指標が異なるため、業務の特性を考慮せずに1つの窓口へ集約すると、負荷が偏るおそれがあります。

業務区分 対応の中身と重視される指標
一次受付 用件を切り分けて取り次ぐ。待ち時間と取り次ぎ精度
受注対応 注文や申し込みを確定させる。受注件数と入力精度
クレーム対応 初期対応で状況を収束させる。二次対応への移行率

一次受付で担当部門へ取り次ぐ

一次受付は、顧客の用件を聞き取り、適切な担当部門へつなぐ役割を担います。詳しい製品知識よりも、用件を短時間で分類する力が求められます。

取り次ぎ先を判断する基準があいまいだと、顧客が同じ説明を何度も繰り返すことになり、満足度の低下につながります。運用品質は、顧客の待ち時間や、取り次ぎ先の適切さで確認できます。

注文や契約の申し込みを受け付ける

受注対応は、電話で注文や契約を確定するまでの業務を担います。在庫状況や料金プランの確認を伴うため、システムの操作と顧客との会話を並行して進める場面が多くなります。

電話の取りこぼしが売上に直結する窓口では、つながりやすさの確保が重要です。受注件数で成果を、入力精度で処理の正確さを確認します。

クレームを初期対応で収束させる

クレーム対応では、初期の対応が、その後の長期化を左右します。事実確認の手順や、おわび・謝意の伝え方を標準化しておくと、担当者による対応の差を抑えやすくなります。

カスタマーハラスメントへの備えも重要です。日本コンタクトセンター協会の2025年度調査では、社内報告・連携体制の整備について「既に対応している」と答えた企業は、回答した67社のうち35社で、半数を超えました。

初期対応の状況を把握する指標としては、二次対応へ移行した件数の割合などが挙げられます。ただし、適切な引き継ぎが必要なケースもあるため、移行率だけで対応の良し悪しを判断しないことが大切です。

コンタクトセンター企業実態調査 / 一般社団法人 日本コンタクトセンター協会

インバウンド対応でコンタクトセンターが抱える課題

インバウンドの主な課題は、応答率の低下、応対品質のばらつき、人員の定着難、問い合わせ内容の複雑化の4つです。これらは個別に発生するのではなく、人員不足が応対品質や処理時間に影響するなど、相互に関係しています。

課題 現場で起きている状態
応答率の低下 繁忙期に待ち呼があふれ、放棄呼が増える
品質のばらつき 教育が追いつかず、担当者ごとに回答が変わる
人員の定着 採用時の時給が上がり、離職の穴埋めが続く
入電の複雑化 自己解決できない用件が残り、通話が長くなる

繁忙期に放棄呼が増え応答率が落ちる

応答率の低下は、インバウンドの運営で表面化しやすい課題です。コールセンタージャパンが国内の運営企業を対象に実施した実態調査によると、応答率は3年連続で低下し、2025年の平均は87.8%でした。

単純計算では、およそ8件に1件に応答できていないことになります。折り返し対応や顧客からの再架電が増えると、現場の負荷はさらに高まります。

繁忙期だけ席数を増やしても、十分な教育期間を確保できなければ、応対品質が低下するおそれがあります。

コールセンタージャパン・ドットコム | 生成AI、オペレータ正社員化、在宅制度── 実態調査に見る国内コールセンターの現状と課題

教育不足で応対品質がばらつく

応対品質のばらつきは、教育体制の不足によって生じます。新人が独り立ちするまでに、回答の根拠となるFAQやマニュアルが整備されていないと、回答内容が担当者の経験に左右されやすくなります。

ベテランの退職や異動によって回答精度が低下する可能性もあるため、業務の属人化はクレームを招く要因になりかねません。

採用難と離職で人員が定着しない

人員確保の難しさは、採用時の時給上昇にも表れています。コールセンタージャパンが2025年1月から3月に全国1,594件の募集案件を調べた結果、採用時の平均時給は1,511円で、前年の1,491円から20円上昇しました。

時給を引き上げても応募が集まらない地域では、必要な人員の確保自体が運営上の課題になります。採用による補充に頼り続けないためには、定着支援に加え、1件あたりの処理時間を短縮して業務負荷を軽減する取り組みが必要です。

コールセンタージャパン・ドットコム | 全国採用時 時給・月給調査2025

問い合わせ複雑化で処理時間が延びる

顧客が電話をかける前に自己解決を試みることで、窓口には難度の高い用件が集まりやすくなります。

NTTコム オンラインが2024年に20代以上の男女1,047人を対象に実施した調査では、67.1%が電話前に「Web検索で解決を試みる」と回答しました。一方、「いきなり電話をする」と回答した人は7.1%にとどまりました。

FAQで解決できる用件はWeb上で処理され、個別の判断や例外的な調整が必要な相談が電話窓口に寄せられる傾向があります。その結果、平均通話時間や後処理時間が延び、同じ人数では応答率を維持しにくくなります。

【2024年度版調査レポート】コールセンターに電話をかける前の顧客行動について - 顧客管理システムならモバイルウェブ | NTTドコモビジネスX(旧:NTTコム オンライン)

インバウンド改善に有効なコンタクトセンターシステム

インバウンドの改善には、CTIとCRMによる情報の集約、IVRによる入電の振り分け、音声認識AIによる後処理時間の短縮を組み合わせる方法が有効です。システムごとに解決できる課題が異なるため、自社の業務で負担が集中している工程を確認し、導入の優先順位を決めます。

システム 解消に役立つ課題
CTI 着信時の顧客確認に時間がかかる状態
CRM 応対履歴が担当者ごとに分散している状態
IVR 事実確認、被害者への配慮、再発防止に取り組む
音声認識AI 悪質な言動には組織として対応し、再発を防ぐ

CTIで着信時に顧客情報を表示する

CTIは、電話システムと顧客データベースを連携させ、着信時に顧客情報を画面へ表示する仕組みです。顧客情報や過去の問い合わせ履歴を確認する手間が減るため、1件あたりの通話時間の短縮につながります。

着信履歴や対応状況を蓄積すれば、放棄呼が集中する時間帯の把握にも活用できます。ただし、顧客情報が十分に整備されていなければ、表示できる情報が限られ、効果も限定的になります。

CRMで応対履歴を一元管理する

CRMは、顧客ごとの応対履歴を一元管理し、担当者が変わっても対応の経緯を引き継げるようにするシステムです。顧客が同じ説明を繰り返す負担を減らし、不満の蓄積を防ぎます。

電話、メール、チャットの履歴が分散していると、複数のチャネルにまたがる相談の経緯を把握しにくくなります。情報を集約するとともに入力ルールを統一し、必要な情報を検索しやすい状態にすることが重要です。

IVRで用件別に入電を振り分ける

IVRは、音声ガイダンスに沿って顧客に用件を選択してもらい、対応に必要なスキルを持つ担当者へ電話を振り分ける機能です。一次受付での聞き取りや転送が減り、待ち時間の短縮につながります。

選択肢の階層を深くしすぎると、目的の窓口につながる前に電話を切られるおそれがあります。分岐を少なくし、顧客が用件を判断しやすい表現にすることが大切です。

夜間や休日の入電に対し、折り返し予約を案内する使い方もできます。

音声認識AIで後処理時間を減らす

音声認識AIは、通話内容をテキスト化する技術です。生成AIによる要約機能と組み合わせることで、応対記録の作成を効率化し、後処理時間を短縮できます。

日本コンタクトセンター協会の2025年度コンタクトセンター企業実態調査では、生成AIをセンター運営の実務で運用している企業は、回答した68社のうち33社で、48.5%でした。また、活用用途としては、応対内容の要約が74.5%、メール文章の生成が63.6%、FAQの自動生成が61.8%と報告されています。

通話記録の作成負担を軽減できれば、同じ人数でも、より多くの問い合わせに対応できる余地が生まれます。

コンタクトセンター企業実態調査 / 一般社団法人 日本コンタクトセンター協会

『2025年度 コンタクトセンター企業 実態調査』報告(PDF)

コンタクトセンターのインバウンドは委託が向く?

委託が適しているかどうかは、入電量の繁閑差、育成体制、対応時間帯の3点で判断できます。自社運用と委託のどちらか一方を選ぶだけでなく、時間帯や業務単位で役割を分担する方法もあります。

判断軸 委託が向きやすいケース
入電の繁閑差 月や季節で入電量が数倍に振れる窓口
育成体制 研修やFAQ更新の専任を置けない窓口
対応時間帯 夜間や休日まで受付時間を広げたい窓口

繁閑差が大きい窓口は委託が向く

時期によって入電量が大きく変動する窓口は、委託に適しています。自社で繁忙期に合わせて人員を確保すると、閑散期の人件費が負担になります。

委託では、契約条件に応じて席数や稼働時間を調整でき、繁忙期の対応だけを外部に任せる方法もあります。一方、年間を通じて入電量が安定している窓口では、委託先の管理にかかる負担が、委託による削減効果を上回る場合もあります。

育成体制を自前で組めるかで判断する

育成体制を自社で整備・運用できるかどうかは、委託を判断するうえで重要なポイントです。研修設計、FAQ更新、モニタリングを担う人材が社内にいなければ、応対品質が担当者の能力に依存しやすくなります。

委託先には、研修やモニタリングの仕組みが整っていることが多く、立ち上げ時の品質を安定させやすいという利点があります。一方、深い製品知識が求められる窓口をすべて委託すると、応対ノウハウが社内に蓄積されにくくなる点には注意が必要です。

夜間休日の対応は委託で広げやすい

受付時間を夜間や休日まで拡大する場合、委託は導入しやすい選択肢です。自社で対応するには、夜間・休日の人員確保と労務管理が必要になります。

24時間対応の体制を持つ委託先であれば、既存の運用体制を活用して業務を任せられます。営業時間外だけを委託し、日中は自社で対応する分担も可能です。

コンタクトセンターのインバウンド委託費用の相場

委託費用は、料金体系や業務の規模、対応範囲によって異なります。目安として、月額固定型は月額30万円程度まで、従量課金型は月額10万〜50万円程度です。初期費用は、サービス内容によって0〜50万円程度と幅があります。

ただし、これらは対応範囲や規模が限られる場合の目安です。専門的な対応や大規模な体制が必要な場合は、この金額を上回ることもあるため、個別に見積もりを確認する必要があります。

料金体系 費用の目安と向くケース
月額固定型 月額30万円程度まで。入電量が安定した窓口に合う
従量課金型 月額10万円から50万円程度。入電量の振れ幅が大きい窓口に合う

月額固定と従量課金で総額が変わる

同じ入電量でも、月額固定型と従量課金型では支払総額が異なります。

月額固定型は毎月の基本料金が一定ですが、契約で定めたコール件数を超えると、超過分の追加料金が発生する場合があります。従量課金型は入電の少ない月の支払いを抑えやすい一方、専門的な対応が必要な業務では、1件あたりの単価が高くなることがあります。

どちらが適しているかは、入電量やその変動幅、契約条件によって異なります。過去12か月の入電実績を基に見積もりを依頼すると、比較しやすくなります。

席数と対応時間で見積もりが決まる

見積金額は、必要な席数や対応時間によって変わります。同じ入電数でも、目標応答率を高く設定すると、待機要員を増やす必要があり、必要な席数も増えます。

受付時間を夜間や休日まで拡大する場合は、時間帯に応じた追加料金が発生することもあります。複数社を比較するときは、席数、対応時間、目標応答率の3条件をそろえると、金額差の理由を把握しやすくなります。

まとめ

コンタクトセンターのインバウンドでは、応答率の低下や採用時給の上昇を背景に、人員の増加だけで対応することが難しくなっています。改善には、自己解決の促進によって入電量を減らす仕組みと、1件あたりの対応時間を短縮する仕組みを組み合わせることが重要です。

ただし、どの工程に時間がかかっているかを把握するには、通話内容や応対記録の分析が欠かせません。日々の入電に対応しながら分析を進めることが難しい場合は、まず応対記録と後処理の実態を可視化し、自動化できる工程を見極めることから始めましょう。

丸紅I-DIGIOグループの音声認識サービス「MSYS Omnis」は、通話の自動テキスト化と生成AIによる要約により、履歴入力などの後処理時間を短縮します。リアルタイムモニタリングやNGワード検知によって、スーパーバイザー(SV)が現場の状況を把握できる点も特徴です。

さらに、FAQ検索やSalesforceなどの外部CRMとの連携にも対応しています。音声認識の処理時間に応じた従量課金で小規模から導入でき、要件定義から設計・構築、導入後の運用改善まで、丸紅情報システムズが支援する体制を備えています。ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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  • 対応者によって回答品質にばらつきがあり、エスカレーションが増えている
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